katka_yg
katka
2025/11/27 (木) 20:24:18
「41 ミラヤマ」(旧)つづき
「27 ふたりだけ」(新)
新旧版の章の境がまた不規則。新版26章末にはリンレイが突然年相応の女子らしいおちゃめを出すが、旧版にはない。
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完全版ではここで、『リーンの翼の靴がないために迫水の生体力が減殺してしていて、』と靴による生体強化を明示しているが、そのことはこれまでの文中、あくまでまだ仄めかしに留まっていて「事実」とはしていないことを忘れたかのような書き込みで少し惜しい気がする。
でもその同じ箇所で、コモン人に神の概念がないために「信仰」についても一言説明を加えるのは、完全版の前回のくだりを引いていて差し引きで良し悪しとも言えないのか……。
理由はない
八百万の神についての日本人の曖昧観念を説明できず、「世界を司る神」については尚さら語る言葉をもたない迫水に対して、魂を信じないのか?と詰め寄るアマルガンの言葉には異様な迫力がある。この話自体はすでにくり返している「魂のマスカレイド」観かもしれないが、重要に思える一言は旧版のほうにあるように思う。
だから神などを余分に空想しなくても善にも悪にも懸命に生きるのだ――というコモンの在り方を続ける。それを知っていることに理由はいらない、というのはバイストン・ウェルという「世界観」を教えられるなり、示されて、世間の通則上それを受け入れて生きているのとは違う。
ここでは歴史とか歴史観について、バイストン・ウェルは「伝承の世界」だと言ってきたが、その伝承とやらもあやふやなフェラリオ経由の知識を語り伝えている、のではなく、「そうだと知っている。理由はないと断言すること」は、もうひとつここに強調してもいいと思う。
旧版ではここで章が切れて、次章「42 ふたりだけ」。
陸戦隊なのに「半舷休息」と称するのは苦笑するところだと思うが……。迫水の海軍意識がそんなところに残っているんだろうか。富野語なのか?
実存=その存ることに理由はないこと
本を置いてからしばらく考えていると、一度掴んだようなバイストン・ウェルの態度がまたふっと分からなくなるような感じがくり返す。「宗教ではない」と言っているが、実存のような話はしている。その存ることに理由はない。
富野文で実存って滅多に出てこないと言ったが、前回その話したのはアベニールで、宇宙の宗教のはなしだった。