カオスドラマX

Gray Traveller / 601

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わったん 2026/04/26 (日) 21:30:06 >> 598

「――」

読み終えた時に過ったのは、
俺が選択を間違えたあの豪雨の時。
流され、意識を喪っている最中。
その時、ティダの村はどうしていたのだろうかという絶望。
心に与える大きな傷は、未だ広く冴えわたり、
指先から凍える感覚が再び心に影を纏わせた。

ガチャ……。

「おぉ、帰ってきたか」
「農家の連中の水汲み、大変だったろ?今日は早く寝――」
「――」

背後から旦那の声が途切れる。
俺は振り向いてはいなかったけど、
きっと俺の表情が見えたんだろう。
丸め切った背中は、手紙を見た時の俺の心境を表していたはずだ。

「……」
「すまない……いつか渡そうとは思っていたんだ……だが……」

「……大丈夫……」
「俺は、大丈夫だ……」
「……俺が眠っている最中に、届いたのか……?」

「……2回目、お前が此処に運ばれた時だ……」
「覚えているか……?」

「あぁ……ミルラのしずくを、クリスタルに吸わせたときだったか……」
「……教えてくれ」
「モグは、レターモグは、何か言ってたか?」

「……」

「大丈夫。受け止めたいんだ」
「これは、必要な事なんだ」

「……」
「……」
「モグがお前宛てに、と」
「ただ、それだけを言って帰った」
「返信は要らない。そう言うかのように」

「……」
「……」
「……だよな……」

モグが俺を探し当てられなかった時。
一度ティダの村に帰るなりしているはずだ。
その時、惨状を確認すれば分かるだろう。
手紙の返信の有無。
それは、生存の証。
改めて感じる。
終わったんだと。

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