あれから数時間後…
「危なかったわね」
そう明るく言うのは、私をホームステイさせてくれるおばさんだった
「あの巨人ってなんていうんですか?」
「あれは使徒っていうのよ、今日はそれを倒せる兵器に乗ってもらうのよ」優しく言われた
「私…乗りたくないですよ!あんな怪物と戦わなきゃいけないなんて!」
「じゃあ何のためにここに来たの?」
言葉が詰まった
「乗るならここにいてもいいけど、乗らないのなら帰りなさい!」
「…」
「どっちにするの?」
「…のります」
「じゃあ案内するわ!」
エレベーターにて…
「ここはthree arrowsと言ってね、使徒を倒すためにいろんな国が団結して設立されたところで…」
説明を黙って聞く
通報 ...
そんなこんなで格納庫と呼ばれる場所についた
「なんですか…これ…」
目の前にあるのは巨大な…ロボット…?
「これはさっき言った使徒を倒す秘密兵器よ!」
「名前は?」
「零号機よ」
「ほかに乗る人はいないんですか?」
「シンクロ率が同じなのは、あなたしかいないのよ」
「…」
その時
ビィィィン!ビィィィン!
警報が鳴り響いた…
「使徒が接近中!繰り返す 使途が接近中!」
使徒…
「さあ、あなたは零号機に乗るのよ!」
「無理ですよ!」
「操作説明はさっき聞いたでしょ!これは人類の命運をかけているのよ!」
「…」
「乗ってくれるわね?」
「…わかりました」
「よく言ったわ! 格納庫から司令塔へ、零号機使用の許可求む!」
「零号機の使用を許可する!」
格納庫が開いた
「さあレイ 乗るのよ! このスーツを着なさい!」
そういいながらスーツを押し付けてきた
「更衣室はあっちよ!」
なるべく早く着替え、零号機のコア?と呼ばれるところに乗った
ゴォォオ…コアが動いてる!?
「わぁぁ」
ガシャン!
「頑張ってね!生きて帰るのよ!」ディスプレイからおばさんの声が聞こえる
言われたとうりに手を動かせばいいんだよね…
「零号機、出ます!」
うぃぃぃぃぃぃぃン ガコン!
すごい…全方位が見える…
その時、コックピットに衝撃が走った
「うわぁっぁ」
目の前には使徒がいた…
目の前にいる使徒を見て…死ぬかな…とか、家族に会っとけばよかったな…とかいう気持ちが込み上げてきた
動かなかった…というよりかは、動けなかった…
バこぉぉぉん
思いきり頭を叩きつけられる…
なんで?なんで動かないの!?
そのころ司令塔では…
「柏木レイのシンクロ率が15%まで低下!このままでは暴走します!」
「何ですって!?」
零号機は動かなくなってしまった…
「なんで!?」
色んなレバー、操作説明のとうりに動かしているのに動かない…
その時だった
使徒があのビームを撃った
そのビームが零号機の腹部を貫いた…
「ぎゃぁぁぁぁ」
なんでだろう…コアは無事なはずなのに、お腹が痛い
「痛い…痛いよぉ」
激痛で周りが見えなくなった
目を開けても周りが見えない…いや違う、零号機?
そのころ司令部では…
「柏木レイの信号が消えました!」
「強制回収しましょう!」
「いや…零号機、暴走、暴走!」
「柏木レイの生死不明!」
「活動時間あと2分!」
零号機は、暴走した…ただひたすら使徒に殴りかかっていた…
「早く動けっ」
まったく動かないのは分かる…いや動いてるのは分かる…
「なんで…」
零号機は使徒に殴りかかっている…私は何も動かしていないのに…
使徒はコア?みたいなところをずっと殴られている…動いていないし…いや違う…動けないんだ
使徒は押さえつけられ、押し倒され、コア部分を殴られていた…
コアにひびが入った
「勝てる?」
その瞬間、使徒は爆散した…
いろいろなものが混ざり合った液体が降り注いでくる…
なんかわからないけど動かせるようになった…
「こちら零号機、これより帰還する…」
帰還している最中、ふと思い出した
あのヘリどうなったのだろうか…
好奇心が勝った
現場に行ってみると、後悔の念が強く押し寄せてきた…
「うっ」
生々しい遺体…遺体ともいえるかどうかわからない肉塊がそこら中にばらまかれていた
なぜ救助しないのか疑問に思いつつ、生存者を捜すことにした
辺りには脳漿が飛び散っている
しかしその中で一人…生き残っている人がいるのを発見した
手を振っている
零号機の手に生存者を乗せ、帰還した…
ふう…大変だった…
帰還してコアから出た瞬間に「よくやったわ!」とか「君は希望の星だ…いや宇宙かもしれない」とかいろいろなことを言われた…
ヘリの惨状を見てしまったのであまりご飯が食べれない…
おばさんの家に帰り、談笑する
おばさんはビールを開けながら、「レイちゃんが生死不明になったときはどうなるかと思ったけど…生きて帰ってきてくれてうれしいわ!」
「有難うございます」
「さあお風呂に入ってきなさい!」
「はい」
服を脱ぎ、お風呂に入る…ところだった
「うわっ」
勢いよく飛び出してきたのは…ペンギン!?
「おばさん、お風呂にペンギンがいるよ!」
「ああそれうちで飼ってるペンギンよ」
「それより驚いたのは分かるけどタオル位巻きなさいよ…」あきれ顔で言われた
「へっ?」
裸だった…
「うわぁぁっぁ」
顔を真っ赤にしながらお風呂に入り、寝た…
「うぅーん」
まだ眠い…のにおばさんに起こされた
「あのまだ眠いんですけど…」
「何言っているの?three arrowsに今から行くのよ」
寝ぼけた体で着替えをし、歯磨きなどを済ませ、家を出た
「毎日のように使徒は襲来してくるからね」
海沿いの道を車で走る…
またほかの国の兵器だ…
航行していた駆逐艦には、「大和共和国」と書かれていた。
「隣に我が軍のキンダ型駆逐艦もいるわね」
軍については何もわからない私はおばさんから発せられる呪文をずっと聞いていた
建物に着き、車を降りて格納庫に向かった
「おはようございます」
時計を見るとまだ朝の4時だった
「寝ていい?」
「駄目です」
今日の作戦、スケジュールなどを確認していた時、また警報が鳴った
「最近多いわね」
「使徒襲来、繰り返す 使徒襲来!巨大です」
私は現場の様子をモニターで見せてもらった
さっき通った海沿いの道だ…大和共和国とかかれた軍艦が発砲してる…
隣の白い船もミサイルみたいなのを発射している…
使徒のサイズを見て、私は震えた
前に現れた使徒の2倍近くある…しかも飛んでるし
大和共和国と書かれた戦車、東州連邦共和国と書かれた戦車、ルミナリア共和国と書かれた戦車がだんだんと集まって攻撃していく
なんか使徒の口部分が赤くなってない?とか思っていた次の瞬間、ビームが撃たれた
「攻撃力も二倍じゃん…」口に出てしまった
ここでモニターの映像が途切れた
「出撃よ」
「…はい」
「零号機、出撃します!」
凄まじい轟音とともに地上へ送り込まれた
海沿いの道へ機体を走らせる
「もう前みたいなへまはしない」
到着したが、もう手遅れだった…
戦車はひっくり返っている奴や爆発している奴などがあった
軍艦は跡形もなく消し飛んでいた
火の海だった…
残っているのはあの巨大な使徒だけ
私は装備しているak-48を使徒にめがけて撃った
「コアを狙う」
しかし反動が凄いのか、他の部位に当たった
「弾切れだ…」
私は機体に装備されているタクティカルナイフを取り出し、近接戦闘を挑んだ
しかし、次の瞬間、私は絶望した
ビームを発射しようとしていたのだ…しかも近接を挑んだせいで目の前にいる!
私は回避行動をとろうとした…しかし、間に合わなかった…
バぁぁァァァァァァン!
奴の口からビームが放たれた…
私は意識を失った…
「うっぅう」
「レイさん 私の声が聞こえますか?」
「はい」
「これが誰だかわかりますか?」
「私です…」
どうやら私は意識を失っていたようだ…病院のベットでいろいろ質問された…
「レイちゃん!」
おばさんが勢いよく入ってきた
「生きててよかった…」
「零号機は…?」
「今修理中よ…使徒も別の場所に行ったみたい…」
どうやら私はあのビームを食らって零号機ごと吹き飛んだらしく、コアが勢いよく射出されたことで色んなところを骨折していた…目も片方つぶれており相当危険な状態だったらしい
「私は…零号機に乗れるんですか?」
「まだわからないわ…修理が完了次第シンクロテストを行うからね」
私は格納庫に連れていってもらった
酷い有様だった…
腕は半分引きちぎられ、頭部がもげており、左足が無かった…
「私のせいだ…」
私は動くことが出来なかった…