The Ogress Queen (Theodora Goss)
幼い、美しい王子様と王女様と、それを見守る継母――語りだすのはタニス・リーの得意としたメルヘンの再話のようだが、そのシリーズにしても、「本当は怖いおとぎ話」みたいなものとは、必ずしも安易にいえなかった。
本作はまた文章は平易なので遅滞なく読めてしまう。上のような悪い継母の話なんだけど、妙に読者をわくわくさせるものがある。リーのトリビュート要素としていうと、昔風メルヘンではなく現代の少女ファンタジーの主人公らしい生い立ちと、その後のグロテスクな物語の変転……だけではなく、事あるごとに変な悪ノリを出す性格(ブラックユーモア)が事態を悪化させていく。
『血のごとく赤く』(Red As Blood)の一篇のように一見、思わせる。でもこの主人公の性格、処々の口調というか口癖には『The Birthgrave』を直接意識してると思う。いま現代には、この話はシンプルにフェミニストすぎるかもしれないけど、やはりこの語り口は好きだな。
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