ロシア戦車に詳しい「愛国クソ野郎」「気持ちが悪い」って言い回しをする人ってbtvtだろうと思いつつリンク開いたらちゃんとbtvtで笑ってしまった その人確かにかなり詳しいけど、普段からかなりウラルとレニングラードアンチでハリコフを高く評価してるからその3工場関連の話は話半分程度で見たほうがいいよ 3工場関連の話でも評価や結論が好き嫌いありきなだけで、情報自体は詳しいし間違えていなそうだし、それ以外の話ならかなり良いんだけどね…
通報 ...
ロシア戦車に詳しい「愛国クソ野郎」「気持ちが悪い」って言い回しをする人ってbtvtだろうと思いつつリンク開いたらちゃんとbtvtで笑ってしまった その人確かにかなり詳しいけど、普段からかなりウラルとレニングラードアンチでハリコフを高く評価してるからその3工場関連の話は話半分程度で見たほうがいいよ 3工場関連の話でも評価や結論が好き嫌いありきなだけで、情報自体は詳しいし間違えていなそうだし、それ以外の話ならかなり良いんだけどね…
大きくみてハリコフとウラル・レニングラード(オムスク)でソ連時代からずっと対立してるんだよな。割と歴史ある伝統の対立ではあるが発信者によってはそれにやや引っ張られがちというのがある。
ざっくり言えば故郷贔屓というか、それに近いやつなのかな
あれ、でもbtvtはロシア人じゃなかった?
故郷贔屓というよりはメーカー贔屓的なとこがあるね。日本で例えたら…三菱・中島的な?ちょっと違うか
でもですよ?
T-72はT-64と比べても高価(生産開始時4倍、量産しても1.3倍)で、走行性能、サスペンションの性能に由来する射撃精度、部品点数でT-64Aに負ける端的に言えば高いのに弱い戦車で、単一の戦車を採用するという方針の例外でハリコフの下請けでT-64Aを作るのをやめてUKBTMがT-72を作り、UKBTMと国内戦車製造の分裂を画策したソビエト閣僚会議軍事産業委員会戦車産業関連部門副部長らへんの事業の利益を優先とした支持者により推し進められていっぱい作られただけの全ての混沌の元凶で、そのせいでソ連時代の実用レベルでは最も高性能な戦車であるT-80UDの量産が十数年レベルで遅れたし、T-80は結局のところT-64Aの焼き増しに過ぎず、ガスタービンエンジン一つでT-64Bが作れる高価な戦車だし、ガスタービンにこだわる理由だった高出力エンジンはハリコフが作ったT-80UDに6TDが採用されて解決したのにガスタービンに固執した政治側もよくなかったし、T-80Uで砲塔の防護範囲とFCSは進化したけど、それはもとよりT-64Bの改良用に作ってたもので、結局T-72とT-80の改良にリソースを奪われてT-64Bの改良は実施されず、戦車開発は10年停滞。それどころか高性能な砲塔とFCSをT-64に比べて圧倒的に高価な車体で台無しにしていったし。T-90は採用時(1992年)の時点でT-80UDのFCS乗せて16年ぶり(前述の通りT-72の生産コストは高かったためT-64Bと同等の火器管制装置を搭載した改良型は不採用)にT-64Bを超える能力の戦車を作れただけで溶接砲塔もサーマルサイトもない時代遅れだし、T-90AもT-90Mもここまでのゴタゴタを乗り越えなんとか西側第三世代戦車に追いつくための尻ぬぐいで、ソ連時代の遺物を今に引きずる妥協の産物だし、T-14もソ連時代の設計がベース(なんなら悪化)だし、まず終わってるエンジンの信頼性を何とかして国家試験を通過してから戦車を名乗ってもらってよろしいでしょうか?一方でT-64の欠点として挙げられるエンジンの信頼性の低さも初期不良として解決されてるし、軽量シャーシなら上の奴らがスタックした泥濘でもスタックしないし(この欠点はT-80の車体を使ってるT-80UDも持ってるし、T-80UDを作ったのもT-64車体の拡張性が無かったからしょうがないことだけど)、自動装填装置のMZはAZより地雷に強いし、ロシアよりソ連の溶接水準が良かったから溶接部分でバラバラにならない。そして同時期の連中と比べてもT-72Bより安く、エンジンの拡張性、足回りの整備性、部品点数、FCSの行進間射撃能力(T-72がB3あたりまで持ってない走行間射撃能力をT-64Bは1970年代に持っている)などで優れてる。そしてT-72から始まるバラバラに戦車を作り始めた政策の結果が1970年代にT-80Bと火器管制装置や装甲周りがほぼ同一でT-72Bより単価が安い、性能・コスト両面で主力にふさわしいT-64Bを持っていたところから西側に大きく後れを取ることだったわけで、すべてはT-72なんか採用したことが今の悲惨なロシア戦車の遠因だったらその生産をごり押したメーカーのアンチにもなるでしょう。国家と全人民に対する大罪ですよ。
あまりにもグダグダに大人の争いを繰り広げてて草も生えん...T-34、T-54、T-55と傑作を作ってきたハリコフ(ハルキウ)がT-64で失敗したのはなぜ?と思ってたら偉い人の都合だったのかい...やっぱハリコフが設計した戦車ってすげぇわ...
そしてそのグダグダのせいでハリコフでしか作れなかった6TDエンジンを戦時に安定供給するための技術移転・増産計画が悉くつぶれ、そうこうしてるうちにソ連が崩壊しすべて吹き飛ぶ。あとに残ったのはT-72系が搭載しているV-46を魔改造してV-92にしたはいいけど、もう出力が頭打ちか開発失敗の連続で将来性がなく、本来6TDがあれば十分な出力が確保できて要らなくなるはずだったGTD系列のエンジンの生産ラインを整える羽目になるロシアでしたと。戦車開発においてよく言われるのは「エンジンだけはあるウクライナ、エンジン以外はあるロシア」という評価だけど、T-72がなければそこらへんは変わってたかもしれないね。もちろんロシアにとって良いほうに。
あーもう(外野の政治家のせいで)めちゃくちゃだよ(語録漏洩)
安心安定のT-72と思ってたが、そんなことなかったんだな...
T-80UD、新生ロシアじゃ早々と退役させられたし、独立後ウクライナはそもそもまともに戦車の量産をしなかったせいでやたら影の薄い存在だけど、まさにソ連戦車の超決定版と言っても過言ではない傑作だったのにな。最高会議ビルへの砲撃ぐらいしかまともな露出が無い、なんて事になるとは。
少なくともT-64にガスタービンエンジンを積むために生まれたT-80はT-80UDに繋がったけど、T-64の自称改善版こと性能低下・価格上昇版のT-72はソ連戦車開発史において存在意義があったとは言えない。コストはT-64より高く、それでも大量配備するから安くしようとT-72BのFCSは10年前のT-64Bから大幅劣化で生まれ、装甲はセラミック装甲が使えたT-64/T-80に比べて簡素で、改修で常にT-64/T-80のガチ勢から技術のバックフィットで資金を食いつぶした。T-90になったら商業的に成功したけど、別にそのポジションはT-80UDで担えたし車体の拡張性はT-80の方が高いから結局技術面で評価するところはない。
やっぱ戦車みたいな複数の工場単位で作るような重装備は政治が絡みやすいのかな(銃器とかだと設計者同士が仲良くて弾倉の設計を譲ってもらったドラグノフみたいな例もあるけど)
でも現場の兵士はT-72を好んで使ってたし、諸々の信頼性問題でT-80を嫌がってたのは事実なわけで、現場的にはT-72は十分成功してたで良いんじゃないの?実際各国にも大人気で売れたわけだし。
現場の兵士はT-72を好んで使ってた→T-80は高級高性能なため、配備先が精鋭師団に限定されてる。なので一般の現場にはT-72しか来ないため装備を選べることなんてない。諸々の信頼性問題でT-80を嫌がってたのは事実→だから信頼性を担保した上で必要な出力、航続距離を持ったT-80UDを実用化したし、それより前なら出力以外でT-64BはT-80Bとほぼ同等の装備、装甲で、エンジンも76年からは運用保証時間500時間に達し信頼性は十分。上のレスでも言ったけど5TDFはT-72のV-46エンジンより信頼性に優れる。現場という場面でその場に必要数居たことが肯定されるなら、そもそもT-72はT-64より高い(前述)しFCSがポンコツ(前述)で装備体系に混乱を引き起こし、無駄なリソースを消費したため、そもそもT-72が生まれてなければT-72Bの座ははるかに優れたFCS、セラミック装甲(初期のT-72Bは多重空間装甲でKE弾耐性に問題あり)、より整備性の良い車体、おまけに低コストというシンプル上位互換がより多くの数で担うことができていた。そもそもエンジンの信頼性問題も現場が適応してからはそこまで問題になってないし。ガスタービンエンジンは政治のゴタゴタなので擁護できない。実際各国にも大人気で売れた→売れた、というか売らなかった(売るのに消極的だった)方が正しい。ここは東側である。西側の市場とやり方が違う。当時のラインナップに上げることができる車両はT-72とT-64で、シャーシの各部構造を極力シンプルにして現場の負担を減らそうとしたT-64はT-72より整備コストが安い。そして子分に兵器輸出しても自前でオーバーホールまでできる国が一体いくつあるでしょうか?そうなるとソ連がそれを請け負うので、T-64だと維持費が安くソ連に入るお金減っちゃうから輸出に消極的だったというレポートもある。T-72が大量生産/大量輸出されたのは利益追求のためだし、T-72Bに関しては「とにかく安いほうがいいよね」という上層部によって現場ガン無視で10年前の車両より貧弱なFCSが積まれるほどだったので、現場をないがしろにしている人に担がれてる軽い神輿なだけ。ただ擁護するなら、いわゆる武人の蛮用に耐えうる戦車だったのはT-64よりT-72だったのは事実。まあT-55の感覚でより速度が上がって機械的に無理のかかるものを振り回して壊したのを信頼性というのを現場の意見として全面的にのむのは流石に不公平である。まとめると、一部の師団以外に現場にはT-72しか与えられず、T-64は主力戦車にふさわしい性能だったが実用化前は軍上層部がゴネてT-62が生まれ、T-80はガスタービンエンジンを積まなければならないという政治屋に振り回され、T-72はメーカー、産業界の思惑で大量に作られ、T-72Bで軍上層部がまた口出ししてこの世の終わりみたいな性能の戦車を作ることになった。そしてハリコフが順当に信頼性が上がったT-80UDを作ってもT-72/T-80の改修でリソースを食われ、生産は進まずそうこうしてるうちにソ連崩壊。色々な負債を引きずり今に至る。対してT-64は設計段階で現場の負担を軽くしようとされ、実際部品点数や整備性、整備コストも優れていた。足回りは重量を増やす余裕があったが車体の拡張性は無かったのでFCSや水平対向エンジンを引き継いでT-80UDにいたるが、スタービンエンジンの代替で燃費もよくなり当時のドクトリンにも長い航続距離は合致していた。おまけにT-72Bよりずっと高性能。果たして現場を考えているのはどこの設計局でしょうか?そして攻防だけで見たとき、T-64BがあればT-80Bまで要らないし、T-80UDがあればT-64も含めてT-80Uまで要らないと言える性能だった。グダグダの結果を現場では成功と呼ぶのは良くない。彼らにはそれしか与えられなかったのだから。
T-72はウラル設計で値段が高く性能は低く信頼性はあんまり変わらない。T-80はレニングラード設計でT-64と同じような性能だがガスタービンエンジンがメチャクチャ高い、エンジンも信頼性は微妙。T-64はハリコフ設計で値段良し、性能良し、信頼性も良し(初期不良も無事に解決)、ただし拡張性は低い、って自分の認識は合ってるかな?それでいくつか質問があるんだけど、
質問 1. T-72が武人の蛮用に耐える、ってのは「わざと壊れるようにメチャクチャな使い方をした場合はT-72の方が壊れにくい、軍事的に想定される常識の範囲内な使い方ならT-64の方が壊れにくい」みたいなイメージであってる? 2. T-64、T-80、T-80U、T-80UDの関係性がちょっとよくわからなくて、T-80Uは「T-80(レニングラード設計)にハリコフの試作戦車(Объект 476、T-64の改修型)の良いところを移植したやつ」でT-80UDは「T-64の拡張性が限界に達したのでT-80(レニングラード設計)をハリコフが独自に改修したやつ(Объект 478)、T-80Uの改良型ではない」って認識はあってる?
ランクIV以降のソ連MBTの旧い史実解説を更新してみない?
これ見てグルカン見直してきたので数点
価格差:確かにT-72はT-64Aと比較して量産開始から3年目の1976年時点で約13%(30%ではない)の価格差があった。が、翌年1977年には約5%にまで差は縮んだ。
労働集約性の差:両者の労働集約性(人手による作業の必要時間数)がT-72の量産初年度と同時期のT-64Aは倍以上必要で、部品点数や価格差で生産への影響を図るのはやや不適切。
MZとAZ:確かにMZが底部の撓みに対して55mmの冗長性を持たせているのに対して、AZのそれは8mmとなっているが、そもそもMZの撓み冗長値55mmという数値がT-64の底部脆弱性から来た数値であり、ウラルではこれを再設計、打ち抜き加工を取り入れる事により、8mmという数値まで落とし込む事に成功した。そしてこの8mmを超える撓みをT-72に生じさせるためには、そもそもの車両が耐えられないほどの爆薬を車両下部で爆発させる必要がある。そしてMZは戦闘室から予備弾の大半が収められている操縦席へのアクセスがしづらく予備弾薬の取り出しが非常に困難である一方、T-72はそれらへのアクセスが容易。
btvt氏(個人なのか集団なのか分からないからなんて呼ぶべきか分からない)の「T-72はT-64Aより高いのに性能が低い」って主張は概ね理解できるけどいくつか疑問点があって
「T-64の足回りがそこまで優れているのならなぜソビエトで219sp1ではなくsp2が選ばれて、ウクライナとパキスタンはT-64に近い478DUではなくT-80側の478DU1が選ばれたのはどうして?」「T-72の開発時や採用時はまだT-64シリーズの初期不良は解決してないし代替案が出てもおかしくないのでは?64年採用で解決したのは73~6年位までかかってるし(認識が間違ってる可能性はある)(結局初期のT-72も同時期のT-64Aとそこまで変わらないけど)」「T-64とT-72部品互換性が低いや装備体系への混乱という話はT-72がT-64ではなく数の多いT-55やT-62との互換性重視であれば問題ないのでは?(少なくともエンジンはどちらもV系だし転輪も互換性あったりするし)」「生産性に優れるT-64がT-62やT-72より少ないのは生産計画とか工場の規模とかの問題?」「上に書いてある話の照準器以外の話のbtvt氏以外でソースある?照準器の話は有名だけど他のT-72がT-64Aと比べてダメな要素は別のサイトとかにも書いてあってもおかしくないけど見た記憶がないのよね」
あと初期のT-72Bは多重空間装甲←T-72Bは85年に100SBになってて077SBの84年型はT-72Bか微妙じゃない?
部品点数は維持費、現場での整備性に利点だし、労働集約性が悪くてもタギルを下請けにして作る予定だったのである程度カバーできてる。底部脆弱性に関して、地雷は底部装甲を破る前段階で装甲を歪ませる。その際車体底部が破れるまで耐えるMZと8mmの変形で動作しないAZではどちらが弱いかと言ったらAZに決まってる。再装填のしにくさも一回の会戦に充分な弾薬量が装填装置内にあれば充分な訳で、欠点ではあるが特筆して下げる材料には不適当。それが問題なら西側の自動装填装置持ちはみんなダメになるじゃないか。なんなら対戦車戦闘においては設計、装填速度でMZは優れているので装填装置の出来自体はどう考えてもMZの方が良い。
特にAZ・MZの話が長くなったので
ちなみに上記の労働集約性はT-72がまだ最適化の余地残る量産初年度だったのに対して、T-64Aは量産開始より6年以上が経過しており、生産工程はほぼ慣熟状態であったことも考慮しなければならない。もちろん生産高が上がれば上がるほど労働集約性の差も比例して膨れていく。これらを踏まえた上で本当に大量生産に向いた車輌はどちらであったか。底部脆弱性については繰り返しになるが、タギルで改良加工されたT-72の底部を8mm撓ませるには、底部や装填装置にとどまらない、車輌の構造自体に甚大な被害を与えるレベルの爆薬量が必要であり、これにT-64とMZであれば抗堪できるというのはかなり無理のある話に思える。装填装置としての完成度について、確かにMZはAZに比べ装弾数で6発、装填時間で約13%ほど優れている。これは確かに対戦車戦闘で有利な点であるが、戦争では対戦車戦闘のみが生起するわけではないので、欠点も挙げてみなければMZが装填装置としての完成度でAZを完全に凌駕していたかの判断は尚早。なのでまず分かりやすいところで言えば前面及び即背面への弾薬投影面積がAZに比べ約2倍大きい欠点。次に砲身が操縦手ハッチ上に存在する状態で砲塔が駆動油圧を喪失した際や、河川、泥濘等に突っ込む等、何らかの理由で操縦席ハッチが使用不可能な際、AZでは特に大きな制約なくドライバーは戦闘室への移動ができるのに対して、MZではカルーセル内から連続した2発分の装薬を抜き取らなければ戦闘室への移動が不可能であるという、予備弾へのアクセス性とも関連性の高い欠点。AZが完全な電気駆動なのに対してMZは電気油圧駆動なのも欠点。AZが破片程度なら防護できる天板を有するのに対してMZでは装薬に何ら保護が施されていないのも欠点。そして比較した際の最大の欠点とも言えるのが装填装置への再装填にAZに比べて最小でも2倍(T-64=13分、T-72=6分30秒)、最大では4.5倍(T-64A=18分、T-72A=4分)の時間を要する事。これは持続的な火力投射を行う際、大きく影響する。これらを踏まえればMZはAZに比べ主に乗員の利便性、被弾時の被害抑制、持続的な火力投射力で大きく劣後していることがわかると思う。最後に…、西側戦車の自動装填装置がどのような設計・構造を持ち、どのような利点や欠点があったとしても、ソ連にとってはそもそも無関係で管轄外の話であり、AZ・MZとの比較はナンセンス
この話の元ともなったBTVTライブジャーナルはタラセンコというウクライナ人のブログなんだが、この人はT-72を「戦車類似品」と貶し、ソ連によるT-72の採用を「国家的犯罪」「タギルによる野心と愛国心を満たすためだけの国家資金の犯罪的浪費」などと評したんだがその動機は単純で、彼はウクライナ国有の兵器輸出企業であるウクルスペッツエクスポート社の広報担当で、在庫という名の保管車両を山ほど抱えている割にさっぱり売れないT-64を売りたいがためというもの。
そもそもの話が「みんなでT-64A作ろう」のはずが勝手にT-72作り始めたから全体の供給量が減ったし、平時で必要とされた供給能力自体はT-64も満たされてたし、戦時の増産も大量生産向けにコスト、生産性ともに向上したT-64の簡易版であるObj.439を作ったので問題は解決する見込みだった。そして当時の中央委員会部門長のヴォロニンは「全工場でT-64A生産が妥当であり、ワルシャワ条約国向けにObj.439を1976年頃から生産するのが最も合理的」であると言ってたしね。なんならT-64に比べて非金属を大量に使用した車体のT-72は本当に戦車が必要な戦時にそもそも生産できなくなるよ。なので労働集約性は確かに重要な要素の一つだけど、労働集約性に優れているからって平時に大量生産できる=戦時に大量生産できるが成り立つわけではないので、軍事に関わる製品でそれだけを重視してはいけない。
T-72の車体底部は抜き打ち加工をするために材質的に延性が高く、RHAより伸び限界は25%高い。これが意味することは「変形に対する抵抗力は低いが、爆風に対しては延性が働き破断しにくい」こととなる。爆風に強いなら対戦車地雷に対する耐久性が高いのは事実であるが、それは「装甲に爆風が当たり変形はしたが破断はしてない」を意味する。もちろんそれ自体は優れた点であるが、地雷の場合は足回り等から衝撃が伝わるため、爆風以外の大きな衝撃が加わる。また、高速走行で車体底部に何らかのものが接触した場合やある程度の段差から落下した場合など、車体底部に爆風以外の力が直に加わることがある。これらは戦車にとって甚大な被害ではないが、AZにとっては甚大である。なぜなら8mmの変形で動作しなくなるのだから。まとめると、材質の都合で車体底部は爆風には装甲圧の数値以上に耐える可能性があるが、地雷の衝撃や爆風、物体や地面の接触、落下の衝撃などで局所的に起こる変形は数値で思っていたよりずっと生じやすい。その時に8mmの変形で動かなくなるのは信頼性を損ねているよね、という話。
そもそもソ連もロシアもMZとAZに関してはどっちが悪いとかの問題視をしていなかった(というか車内の予備弾の方が問題視されてた)が、弾薬投影面積が大きいのは確かに問題、しかし車体で最も被弾率の高い正面から見ると複合装甲の防護範囲内なのは変わらない。また、側面装甲の装甲圧自体はT-64の方が優れているので、その欠点は貫通して初めて問題になる、という前提は踏まえなければならない。操縦席とのアクセス性が悪いのも確かに重大な欠点。電気油圧なのもまあ電気だけに比べたら油圧は高温になるし欠点と言える。天板に関しては設計当時はトップアタック兵装がないので欠点ではあるが、今だから問題になるのであってAZの天板は当時は活きにくい利点ではある。なんなら危険な弾薬庫配置なのはどっちも変わらんので今に至るまで使うんじゃないよ、という話でもある。持続的な火力投射に関して、砲兵的な運用と捉えるなら確かに戦車の仕事の半分くらいは榴弾を投げることである。しかし、戦車の弾薬搭載定数(どの弾種を何発積むか)は決まっており全部榴弾にするということはない。また持続的な射撃をする際は弾薬を集積し牽引砲や自走砲と同じような形をとる。その状態では予備弾へのアクセスは問題にならず、むしろ手動で装填し続ける際の装填時間が問題になってくる。この時MZは毎分0.8~0.7発でAZは毎分0.7~0.5発とされており、実はMZの方が火力投射力自体は高い。まあ数時間にわたる持続砲撃の際は、その時間の長さに応じて撃っていい毎時の発射数が下がるため最終的にはMZもAZもさして変わらない(装填時間より待機時間の方が長いため)が、待機時間が装填時間を下回っているうちはMZの方が投射量自体は多くできるよ。そりゃどこぞのバンドカノンみたいに十数発フルバーストしてクレーンで一気に装填、またフルバーストって撃ち方ができたらAZの方が強いかもしれないが、あれだって後方へ一旦退避するそれなりの時間で間隔が空いてるし、そもそも規模の大きい大砲というのは発生する熱量も砲身に溜め込む熱量も多いから、銃と異なりすぐには冷めないのでそんな馬鹿な運用はしないよ。だからこそ自動装填装置に保持する弾は会戦という区切られた時間単位に十分な量が基準になるのは東西変わらない話で、予備弾からの補充が遅いとかの話をするなら西側は(車内から補充もできるけど)基本車外から補充するんだし、もっと問題になるでしょ?って話。別にMZ/AZとの比較をしてないし、MZの予備弾からの補充が遅いのを問題にするなら西側のものはもっと問題だけど、それが問題になってないからあのような形になっている訳で、予備弾からの補充が遅いことは欠点だけど戦闘特性に影響を及ぼすかと言われたらそうでもないから欠点だけどそれがあるからダメな欠点じゃないって話をしている。文章をよく読んでくれないか。じゃあAZはMZに比べて製造にかかる作業量が1700時間から2600時間に増えてる。これは大きな欠点だ!!AZはダメ!!って言ったら納得するの?別に戦闘特性に関係ないから欠点だけど特筆すべき欠点ではないでしょ。そういう話。
あと自分は一貫して冷戦中の話をしていて冷戦後のセールス云々は正直知らない。でもT-64Aの改良型と言って高い・性能低い・希少資源ドカ食い国家財政気絶部・改良したのにウラルは複合装甲無しなT-72は「戦車類似品」と揶揄されてもしょうがないし、ソ連によるT-72の採用を「国家的犯罪」「タギルによる野心と愛国心を満たすためだけの国家資金の犯罪的浪費」と評したのも間違っては無いでしょう。当時のウラル設計局の動力装置責任者のヴァビロンスキーは「工場ではT-64から脱却するためのあらゆる積極的な措置が取られた。まず、我々の工場と設計局の愛国心がT-64の生産を許さなかった~」とかほざいてたし、戦車開発におけるゴタゴタと技術の停滞と冷戦中の技術移転失敗で今に至るまで苦労してることを考えたらすべての元凶のT-72採用は「国家的犯罪」と言えるっちゃ言えるかな。T-64Aを全工場で作り、Obj.439をワルシャワ条約加盟国で使い、T-64Bを作り、T-64BMケードルを作り、T-64をガスタービン化させようとT-80作ったけど6TDが実用化できたからそちらを使い(こっちの方がドクトリンにも合致してるし)、T-64BMケードルの砲塔を載せればT-64BMと攻守同等で走の性能とその性能を出すために必要な車体の拡張性が手に入ったT-80UDができるんだから、それを全工場でまた作ってT-64A/B/BMをだんだんと代替すれば、T-80UDをより早くから多くの工場で作れて配備数が多くなるし、1987年にやってたT-72B、T-64BV、T-80BV、T-80U、T-80UDの5種同時生産が2種になるし、エンジンの技術移転も優先度高くなるから今のエンジン周りで苦しむこともなかった。この流れの中でT-72を入れなければならない部分ない。だってT-72はT-64の自称改良型であって、自称改良型の改良型も10年逆行した性能だったし。そしてT-80はT-64のガスタービンエンジン化が開発の目的なんだから、T-80の車体と6TDFができた時点でガスタービンを捨てドクトリンに合致した6TD積んで冷戦中ソ連で一番性能バランスが高水準なT-80UDに進化するからT-72の系譜は要らない。
認める、タギルのやった事は完全なる蛇足だった。自分の文を読み返してみても、論ったT-64の欠点は、些細なもの、もしくはトレードオフ関係程度のものばかりで、T-64と並行させリソースを分散させてまであの時点でT-72が必要であった決定的な理由を述べることができない。完敗。スラバモロゾフ
一応フォローになるかはわからんけど、(Obj.439がその役を担えるということを除けば)76年に軍上層部がT-72大量配備に方針転換するくらいに5TDFの運用保証時間の延長が遅れたのは事実。あと整備のやり方とかまるまる変わるし、T-72の方が転輪が大径なのでサスペンションのストロークが小さく破損しにくいから不整地で無茶な動きをしても壊れにくいのは事実。整備方法の周知や不整地で激しく車体をぶつける危険な動きをするなという話だが、技術者に比べてはるかに脳筋ばかりの軍では、T-64に比べてマニュアルを破った運用をしても壊れにくいT-72が合致していたのはまあわかる話なんですよね。戦車開発史としては要らないが、いざ作ったらアホの子ソ連軍にはマッチしてた部分もあった。代償はデカかったけど……
素晴らしい、大変参考になるお話し有り難うございました。日本語書籍読んでるだけじゃ全然分からないというか、一般的な情報と全然違うじゃん。
この板で終わって流すには勿体なさすぎる話だと思うんで、マジで各戦車の史実解説を更新してほしい