バッベルの巨樹
第七章まで。
リーンの翼の顕現がオーラロードになって天地を繋ぐ光景を「バッベルの巨樹」と喩える。バッベルの樹についてはこの三巻で数回すでに文中に現れ、迫水達の物語をしているよりずっと北方の地の伝説で、スィーウィドーのさらに巨大なものか神話の世界樹のようなものと思われていた。
最初その話は、ホウジョウという国の名が定まるより前にハッサ家の長老が「ハッサ・バッベル」というのはどうかと提案してきて伝説も語ったのだが、ハッサの名前を国名にするのは国にもハッサ家にも危うい点を挙げたりして迫水は退けた。
ずっと後になって「バッベル・ホウジョウ」なる理念をコドールが口にしたときは、コドールはまた現在の長老から聞き知って言ったのだが今度は『ホウジョウ中心の部族統合』『ホウジョウの国を中軸にした世界秩序』『ホウジョウによる覇権』のような響きを読者にも感じられて、パックス・ロマーナとか八紘一宇のような印象のスローガンとして言った。
迫水はそのときにもコドールから改めて伝説を聴き直し、『ガダバの人間からは、きいたことがない』とも言っていて、ヘリコンの地から見て北辺の地というと旧来ガダバのことで、ホウジョウの国で働いている人間にもガダバ出身者がこの頃いたのだろう。
コドールは『巨樹伝説は広く語り継がれている』とも言うが伝説中では「遥か北の地にバッベルの巨大樹というものがあり――」といつも伝わり、その北の辺境に住む民にも必ずしも実物を目の当たりにしているわけでもなければ、北辺の民はさらに北の北、無限の遠くに巨樹はあると語り伝えているのかもしれない。
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バルシュの大木
『ガーゼィの翼』には同様の伝説が「バルシュの大木」として伝えられる。メトメウス族とクリス達の目的地としてやがてそこを目指していく聖地。
バッベル・ガダバ
ゴゾ・ドウの時代に「バッベル・ガダバ」という発想はなかったらしいが、ゴゾ・ドウは「ガダバの結縁」との考えをその当時すでにもっていた。
早い巻からゴゾ・ドウがバッベル・ガダバを唱えていれば面白かったのかもしれないけど、明らかにガーゼィから継承してる要素だしなあ……。スィーウィドーのタブリの樹と「世界樹」要素は被っていて、スィーウィドーの森を現に目にして神秘視しているコモン人が、さらにあえてそれと別の世界樹を空想するのかは不思議なこと。
(『スィーウィドーのタブリの樹をたばねたものが、巨大樹バッベルともいわれております。その物語るところは、オーラ力の統合論でありましょう』とバランモンは解釈している)