katka_yg
katka
2026/03/27 (金) 15:22:46
野阿梓作品のルビ編集
もうひとつ特殊な感想があって、本作は文中に猛烈にルビが多い。1ページ中に3箇所は必ずルビが振ってあるので、目で読まずに声に出して音読してはまず意味・意図が伝わらないだろうなと思えるほどだ。
その趣味の良し悪しは置いとく。いやなら作家を読まなければいい。昨年まで、古川日出男でもそうだったが、これらは90年代から一過性の文芸の流行りで、それが現代の読者に「かっこいい」と思えるかどうかは、どうだっていいこと。
それとはまたべつの煩いがある。意味上、特殊な読みを求めるルビ、銃の名前を
一般書のコードとして、訓みが常用水準ではないから同社の出版物には一律で振られているレベルのルビというのは、この種の著者にはいらない。「
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ユーザーがすること
読者の文芸慣れ、著者慣れのレベルについては、電子書籍版では最低の水準であらかじめ全読者対象、ビギナー向けとして、その筋のファンには無用なルビもたくさん盛りつけてあるだろう。鬱陶しいのはそれになる。
こうなると、電子化としても市販の電子版を求めるより、紙書籍から自炊して個々の読者に応じたレベルまで剪定することが必要になるのだろうがその作業はとてもたいへんだ。しかもそんな利用はあまり大きな声で言われない。
電子書籍に内蔵の機能として低水準のルビはオン・オフできるようにして売るか、あらかじめルビの表示は必要最低限にしてあっても、電子リーダーではもしも読者が漢字の訓み・意味がわからなければその単語選択すれば辞書が起動するからまず要らないよ。ということが、現代の出版物にはまだまだ認知されていないと思う。その現状で、読者がどういう態度をするかは他人に言ってもな。
そういう編集、読者がページにメモ書き込みや、付箋を貼ったりもしないでくださいというなら、元からそんなややこしい文章の書き方をしなきゃいいんだ。このルビ多用については、それほど印象的や美的な効果があるともわたしは思ってない。「作家の特徴」ではあるから出版社や編集が勝手に廃してはだめだ。
欄外情報のトレンド
文学伝統(古典)や、軍事や宗教等々についてあらかじめコンテキストの諒解や、それなりに知識のあることを求めなくても、現代の読者は、もしも文意が噛みこなせなければその場でネット検索して言葉の最低限の意味だけは拾ってこれるのだし、なにも文中にびっしりと注釈めいたものを書き込んでいなくてもいい。
ルビや割注、文中の余談に情報を埋め込んでも、その注釈の質が高いわけでは必ずしもない。漫画の欄外に注記やコメントを埋め尽くすような一時期のトレンドも連想させる。そのコメントが簡潔で適切かどうかも頭悩ませた上で「当時の気分」を喚び起こさなければならないだろう。
文章が簡潔でないこと――紙上にたくさんの文字を列べることに視覚的な「映像効果」を求めたようなもの――も、読者のほうが普段コンピュータも使っていてその処理に長けてくる二十年後くらいにはほとんど効果がなくなると思う。一過的な流行りで、表現としては当時的なもの。1990年代頃のラノベにはよくあるが、今頃ではもうその時代ではないだろうという理解。