リンレイ・メラディとの出会いはおよそ考えられるかぎりで最悪の場面での初対面。「対面」というのかな? そこでそういうことを言うのもなんともだ。わたしは、そんなことで人に嫌われてもいいが。
さばけて言うと、人に趣味の有無はあろうけど、小説の読者にとっては、嫌悪感だけで読んでいるとはかぎらない。女性の読者には普通にはしんどいと思うが、女性のFT作家でももっと酷い場を書く人はいるし……。
細かい差異を書くと、短剣の処理が異なる。ひどい意味で彼女との「絆」の始まりなので、旧版にはその生々しさがよりある。マラが完全版ではやや饒舌で、「コモン女」とくり返すのを聞いてもはっきりとこれはガロウ・ラン扱い。旧版も別の意味でガロウ・ランを想起はしているので、その違いをいうと曖昧なところだが、これがくたばるまでにより見苦しいのでそれで幾分気が紛れるのでもある。
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