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『国家に騙されていた……』の発言は、戦中を経験した世代の方々が戦後になって過去を語るときに、広く共有した態度のようで、わたしもそういう回顧は直に聞いたことは幾度かある。
「戦争中は自分も一緒になって旗を振っただろうに、それ自体が責任転嫁的でないか」というのはまさに当時を知らない者だから言える、それこそが時代錯誤(歴史観の欠如)だとは書いておく。騙されていたと振り返ることは正しい。
戦中世代だけでなく、戦後生まれの人でも自分の親がたびたびそう言っていたのを聞いて育ったというのは、富野監督はそれよりやや年が上だが「父について」語るときに零すことがある。
そのように育った場合、どんな国家観・社会観を抱くに至るかでは、『二度と国家が人を騙してはいけないぞ』とは、その結果考えるとはかぎらない。『俺はもう騙されてはいない』とは、いつの時点でも大半は考えていることだろう。その経緯からでも、人間は騙されるべき性質のものであるから、いかに集団を騙し導くことだけが組織を語ることだ、のような次世代の学生の運動に通じることも思える。