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鶏 泰造さん
困ったことといえば、ハンガーノックですね。筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンを使い切ってしまい、まったく力が出なくなる現象です。脳へのエネルギー供給も減ってきますから、意識低下も起こります。(検索すると、いろいろ事例が出て来ます)
その日は10時ごろから、約60kmの山岳コースに出かけたのですが、いつも行っているところだし、「昼過ぎに腹ぺこで帰って来れるから、ちょうどいいかな」ぐらいの気持ちで出かけました。これまで補給食を持ったことは一度も無いコースだったので、必要性は感じていませんでした。
たまたま気候が良くて登りで調子良く踏め、いいペースで折り返してきたのですが、家まで20分ぐらいのところで、ガクっと力が出なくなりました。信号待ちで止まると軽い目眩がしたので「ありゃ、ハンガーノックか!?」と思ったのですが、だましだまし帰れるだろうと思って、ペースを落として走り続けました。ところが、住宅地の坂を登っている途中で意識が低下し始め、真っすぐ走れなくなり、危険を感じて15分ぐらい昼寝をして回復を待ちました。本来は糖質を摂るのが回復の早道なのですが、補給食も小銭も持っていなかったので、脂肪やタンパク質が分解されて糖質に変わるのを待ったのです。
少し回復したように感じられたので、再び走りだしたのですが、造成地を下り切ったあたりで再び集中力が切れ始め、最後の坂を上り切る自信が無くなって、路肩に座り込んだら、もう立ち上がれません。そのままヘルメットを枕に30分ほど昼寝をして回復を図り、どうにか帰って来ることができたのですが、いやはやヤバかったです。
これまで大丈夫だったのに、このときだけハンガーノックになった大きな原因は、登りで調子に乗って踏みすぎたせいだと思います。心拍数を抑えめにしておけば、脂肪がエネルギーに変わる割合が多いですが、無酸素運動に近づくにつれて、グリコーゲンの消費量が増えていくといわれています。このときは走りやすかったせいで、無酸素領域に突っ込んでた時間が長かったんじゃないかと思います。
予防法としては、糖質の多い補給食を摂りながら走ることと、無酸素領域で走る時間を長くしないこと。無酸素領域に入ったかどうかは心拍数が目安になりますが、心拍計が無い場合、呼吸の荒さが目安にできます。深く大きな呼吸が続けられていれば、あらかた有酸素運動。呼吸が速くなっても、リズミカルに続けられているぐらいが、無酸素に遷移し始める領域。意図的に呼吸を深くしないと苦しくなったら、無酸素運動の割合が相当高くなっている、という感じではないかと思います。
ハンガーノックには、徴候もあります。走っていて手足の先が痺れるとか(あるいは冷たく感じるとか)、運動量はそこそこあるはずなのに、体温が上がって来ないと感じたら、ハンガーノックの入り口に来ています。そうなったら無理せず、なるべく速く糖質の多い食べ物や飲み物を補給すれば、回避できると思います。