第四章。
ブログ文化がまだ盛んだった頃を「現代」としているのでロウリィのネットの行動は今2026年の読者の感覚とはだいぶ違う。といっても、その感触なら『リーンの翼』完全版の出版時点2010年頃でも、最初からそうだったように思えなくもない。もともと違和感がある。
作中でも、当時若者文化の最先端という行動をしているわけではなく……ロウリィはロウリィなりに時代錯誤的な、『十年くらいは古いのでは』という感じはする。わたしの感触は、日米関係や軍事についてにはかまわず、ネットの情報に対するナイーブさのようなもの。リテラシーの質感は時代かもしれないし、彼は二十歳くらいだし。
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ロウリィの行動に添って読むことになかなか気が進まない一方、ロウリィもオンラインユーザー由来の曖昧な情報処理に悪戦苦闘しながら、
歴史感覚に悩まないで心理的なポイントを言えば、
を確立することが彼の現在の課題、と一文で書き述べてしまう。富野小説を読む読者は大方、前後のけばけばしい文章に目を流されて続けてロウリィがどんな気持ちなのか、彼の動機に興味を置き続けることが難しいんじゃないだろうか。