かとかの記憶

古典 / 24

27 コメント
views
24

『黄金のろば』読了。今読まれる興味のなかには最終章の、イシス女神の諸々の異名や一連の密儀の次第などはあるのだろうがそれはまた別に任せるとして、わたしは伝奇小説の古典として。魔術の興味は途中で薄れたが、やはり、面白い。

今日読んだ中では先ほど、九巻の、寝取られ男の話が意外に面白かった。意外にというのは、わたしはもともとその種の笑話艶話にそれほど積極的な興味が湧かないからだが、その、寝取られ男のおおむね同趣向の類話を続けて三話語ってみせるなど小説家としてなかなか面白い仕方ではないか。

読み終えたので、上に戻って矢島文夫『ヴィーナスの神話』を続き。この本は概説というか入門書的なもので美術叢書中のそのテーマを紹介するものだが、もとその専門ではないわたしには、興味の発端としてとても役に立った。関連書名を挙げるのはまたその項でしよう。

通報 ...