かとかの記憶

リーンの翼 / 463

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katka_yg 2026/04/14 (火) 12:25:28 修正

「知の敗北」を過去とする

「第十四章 東京湾上空」

おおむねアメリカ批判の文から舵を切り替えて、

 中世的な政治力学の慣性にのっているだけの政・財界人は、世界のいきつく先を想像できなくなり、知識人たちは、過去論の延長からひきだされる推論では、腐臭がする知識を羅列するだけで、千年先を予見することができない知の敗北を自覚したことも原因になっていた。

『過去論の延長から……知の敗北』
このたびの通読中では、「現状認識に終始する歴史観」に対する「時の見かた」のような言い方でたびたび採り上げてきた。

以下、『人類史は戦争史』とする史観は時代遅れだとする。通読ではアーマゲドン史観シャアの苦闘を見てきたが90年代以前のその論調は向かうところがはっきりしなかった。ここでははっきり、アーマゲドン史観も過去のもの。戦争史観で人類を語れたのは、資源が無限だと信じられた時代や、覇権主義が正道と語れた当時のことだ。覇権主義については、覇権をいっても三百年続いた体制などは人類史に稀である……等は『リーンの翼』作中でもすでに述べられたことがある。

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    katka_yg 2026/04/14 (火) 12:34:28 修正 >> 463

    リーンの翼記事の過去のトピックを列べてみても、この章までに醸成されてきたものに読者は感無量なところだろう。もしも、ちゃんと読んでいるなら。

    本作の読者の相当割合は、これまでの文章の中身はほとんど読み飛ばしていて、エロとグロと迫水の絶叫、なんとなくセンチメンタルな共感だけで上のような論説の進展には興味もないと思う。いつものこと。

    ここで言っているのも、富野由悠季独自の論かというのはひとまず置いておき、富野作品を読むときに、富野文脈でまとめて言われている箇所は貴重だという意味だ。ここに書いてあるのでメモしておこう

    あと、ハンナ・アーレントのことが続く。これほどくどくくり返し紹介されているものを「読んでない、知らない」では今後、富野話題も口にするのを躊躇うくらいには思いたい。ジスミナの談義中にもアーレント引用されていたが『女のことはいいんだよ』とかでチャット民は飛ばしていた。そういうところ。

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    ここの文中は「ハンナ・アーレントも過去だ」と言っているのだけど、まずハンナ・アーレントを読まれていなくて富野話だけをするのは浮く。ホッブズの『リヴァイアサン』などは古典なので学生はどこかの年頃で読んでいるだろうということで、もしも読んでいないかもうすでに忘れていたら、また折々に読み返してもよい。エンターテイメントの話はまたべつ。