| 年 原題/訳題 | 邦訳年, 訳者 |
|---|---|
| 1990 The Blood of Roses / 薔薇の血潮 | 2013, 市田泉 |
| 1991 The Book of the Dead (Paradys 3) / 死せる者の書 | 2014, 市田泉 |
| 1991 Black Unicorn (Unicorn 1) | |
| 1992 Heart-Beast / 黄金の魔獣 | 1996, 木村由利子 |
| 1992 Dark Dance (Blood Opera 1) | |
| 1993 Personal Darkness (Blood Opera 2) | |
| 1993 The Book of the Mad (Paradys 4) / 狂える者の書 | 2014, 市田泉 |
| 1993 Elephantasm | |
| 1994 Darkness, I (Blood Opera 3) | |
| 1994 Gold Unicorn (Unicorn 2) | |
| 1994 Eva Fairdeath | |
| 1995 Vivia | |
| 1995 Reigning Cats and Dogs | |
| 1996 When the Lights Go Out | |
| 1996 The Gods Are Thirsty | |
| 1997 Red Unicorn (Unicorn 3) | |
| 1998 Law of the Wolf Tower (Claidi 1) / ウルフ・タワーの掟 | 2005, 中村浩美 |
| 1998 Faces Under Water (Venus 1) / 水底の仮面 | 2007, 柿沼瑛子 |
| 1999 Saint Fire (Venus 2) / 炎の聖少女 | 2007, 柿沼瑛子 |
| 1999 Islands in the Sky | |
| 2000 Wolf Star Rise (Claidi 2) / ライズ 星の継ぎ人たち | 2005, 中村浩美 |
| 2000 White As Snow / 鏡の森 | 2004, 環早苗 |
| 2001 Queen of the Wolves (Claidi 3) / 二人のクライディス | 2005, 中村浩美 |
| 2002 A Bed of Earth (Venus 3) / 土の褥に眠る者 | 2007, 柿沼瑛子 |
| 2002 Wolf Wing (Claidi 4) / 翼を広げたプリンセス | 2005, 中村浩美 |
| 2003 Venus Preserved (Venus 4) / 復活のヴェヌス | 2007, 柿沼瑛子 |
| 2003 Mortal Suns | |
| 2004 Piratica / パイレーティカ | 2007, 築地誠子 |
| 2004 Cast a Bright Shadow (Lionwolf 1) | |
| 2004 34 | |
| 2005 Metallic Love / 銀色の愛ふたたび | 2007, 井辻朱美 |
| 2005 Here in Cold Hell (Lionwolf 2) | |
| 2006 L'Amber (Colouring Book 1) | |
| 2006 Return to Parrot Island (Piratica 2) | |
| 2007 No Flame But Mine (Lionwolf 3) | |
| 2007 The Family Sea (Piratica 3) | |
| 2007 Indigara, or, Jet and Otis Conquer the World | |
| 2011 Greyglass (Colouring Book 2) | |
| 2012 To Indigo (Colouring Book 3) | |
| 2012 Killing Violets: Gods' Dogs (Colouring Book 4) | |
| 2012 Ivoria (Colouring Book 5) | |
| 2013 Cruel Pink (Colouring Book 6) | |
| 2014 Turquoiselle (Colouring Book 7) | |
| 2014 Ghosteria |
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この表はタニス・リー通読のわたしの読書進捗チャートから、ISFDBからの引用で作っている。その目的なのできちんと網羅しているかには怪しさがある。
リーの邦訳出版には過去およそ三波あり、
あと散発的に数点。諸々のアンソロジー所収の小品、雑誌掲載以後どこにも再録されていないものがある。『黄金の魔獣』はパラディス外伝と思っていい。
訳者名では浅羽莢子さんが日本のファンには有名で、要所で井辻朱美さんも押さえている。「平たい地球」シリーズとともに浅羽訳の支持の声は高いのだけど、浅羽・井辻両氏ともにかなり御自分の持ち味は訳文に反映していると思う。わたしは室住信子さんを結構推している、のようなことは先に書いておく。
これにリーの作風の変遷について少し書き足すと、1971からしばらく、子供向けの作品を書いている。「The Birthgrave」がやはり衝撃的であり、作家としての認知では実質これがデビュー作品にもかかわらず「畢生の大作」(中村融)のように言われていたりする。その後ひっきりなしに多作を続けるが、70~80年代が人気では黄金期とみなされているようだ。
バースグレイブに傾けられている作家の熱情はその後の志向を決定づけたようで、80年代までの数々の作品中にはバースグレイブで一度挑んだテーマへの再話であったり、セルフオマージュのような跡が点々と読み取れる。多作な内にも、作家の中ではいつも繋がっているものがあるのだろう。
90年代からは作風がやや変わってくる。辛辣なユーモアや、ものすごく個性的でエキセントリックなキャラクターは影を潜めて、暗く沈んで浮かない雰囲気のパラディス、ヴェヌスのシリーズが続く。やや難解な作品が増えるにつれて往年の人気もそこまで付いてこない。ホラー趣味を出してきたよりは、創作について齢とともに考え直すような転機があったらしい。それは後で考える。このあともう一転してジュブナイルに返るような向きもあるようだが、邦訳事情はそこまで作家の内的経緯をフォローしていない。