問題1への解答 運動視差についてです。 運動視差とは、教科書に書いてあるように物体が移動する際に生じる視覚的な現象です。物体が自分に対して近づくときは距離が近い。物体が自分に対して遅く動く場合は距離が遠いことを意味している。運動視差は、物体との距離感や移動に伴って異なる速さで視界が変化する性質を示します。 私が習っていた少年野球を実例として説明します。私は、左目が弱視であるため、ボールを追いかける際に右目を主に使用しています。右打者であったため、ボールが左側から投げられ、右側に飛んでいくと考えます。ピッチャーがボールを投げ、ボールがバッターに向かって近づく過程で、運動視差によって左目とボールの距離が近くなる。これにより、ボールがどんどん近づいているという視覚的な情報が得られる。しかし、左目は弱視のため視差情報が不正確である。また、バッターがボールを打つと、ボールは遠ざかります。この際、運動視差によって、ボールが遠ざかっていくことが視覚的に感知される。しかし、弱視の左目ではボールの位置が正確に捉えにくく、ボールがぼけて見えていました。 この実例では、弱視の左目による不正確な運動視差が、ボールの位置を正確に判断する上での課題となる。バッターは正確な視覚情報を取得することが難しく、それによってボールをバッドで捉える制度が低下する。このような状況から、弱視の左目における運動視差の影響がわかる。
水平伝播についてです。 生物の遺伝情報において、遺伝子の情報が親から子へと受け継がれることを垂直伝播という。一方で、全く異なる個体間で遺伝子が水平に転移する現象が知られている。これを水平伝播と言います。 水平伝播の事例を野球、大谷翔平選手で考える。 大谷翔平選手は投手としてもバッターとしても活躍されている。大谷選手の打撃が凄いことから、相手チームは大谷シフトと呼ばれる特殊な守備配置を採用することがある。大谷選手が左打者であることを考慮し、通常の守備位置ではなく、大谷選手が最もヒットを打ちやすい方向に守備陣を配置する。これにより、通常ではレフトやセンターで守っている選手は、大谷シフトの時にはライト方向に移動するなどの変則的な配置が行われる。大谷シフトは、対戦相手の野球チーム全体に影響を与える水平伝播の一例だと考える。対戦相手の監督やコーチが大谷選手の打撃傾向を分析し、その情報を選手や野手に伝えるため情報が広まります。これにより、通常の守備位置とは異なる配置が採用され、大谷選手に対する効果的な守備ができる。個々の選手だけでなく、チーム全体が同じ情報を共有し、それに基づいた戦略を考える。この実例を通じて、大谷シフトは情報の水平伝播によって成り立っていると考えます。野球においてもデータ分析や戦術の共有がチーム全体に波及することが示唆されます。例を通じて、水平伝播は情報や戦術の共有が個人や特定の階層に留まらず、全体に影響を与えると考えます。
広島大学、「発表内容」、『寄生虫が仲介する遺伝子水平伝播のパンデミック』 (2024/01/27閲覧) https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/70427
最終レポート課題2 バンデューラについて バンデューラは1974年にアメリカ心理学会会長を務めたほど心理学に深くかかわっている人です。バンデューラは観察学習(モデリング)と呼ばれるものを用いて子供の心理について説いた。例として「ポポ人形実験」を挙げるバンデューラはお手本役の大人と、等身大に近いサイズのボボ人形を用意します。そして大人が、ボボ人形を攻撃的に扱い、その様子を子どもに見せる。子どもだけを別室に連れて行くと、子どもは叫んだりボボ人形を殴ったりします。つまりモデルの攻撃的な行動を、子どもは観察して学習することが発見できた。 よって教科書にある通り、「教える-学ぶ」というコミュニケーションの関係が世代間に伝播、蓄積され、人が繫栄する基礎になっている。 https://yasabito.com/1451
セリエについて セリエは世界で初めてストレスについて定義した生理学者で、カナダ人である。彼はストレスとストレッサーを初めて定義し、適応症候群の理論を中心としたストレス学説を提唱しました。適応症候群とは生体がストレスを受けたときに、それに適応しようとして生じる一連の防衛反応のことです。 つまり防衛反応が生じるとともに、不快な緊張状態だと考えられがちであり、長期にわたって継続すると身体に病気のリスクをもたらす可能性があるが生命維持に必要な生理的反応と言える。 https://www.sankyobo.co.jp/dicsto.html#:~:text=最初にストレスを定義,防衛反応のことです。
問題1
運動視差について解説したいと思います。 まず、運動視差は観察者の視点または観察対象が移動することによって生じる視差のことである。教科書には両眼視差が右目と左目に入ってくる画像の空間的な違いによって奥行きを知覚しているとすると時間的に配置したとき運動視差という手掛かりになると記載されている。 例を挙げると高速道路で車の外の景色を見ると奥に見える山は遅く動いて見えて、近くにあるガードレールを見ると早く動いて見える。他にも自分が走っているとき前を見ると遅く近くなっているように見え、下の土を見ると早く動いて見えることも同じことだと考えられる。
行動変容についての解説 まず行動変容とは、人の行動が変わることを指します。簡単には、健康保持・促進のために行動や生活習慣、ライフスタイルを望ましいものに改善することを説明する際に用いられることが多いそうです。例として今まで習ってなかった柔道を新たに始めることを行動変容と言います。
最終レポート問2 「スキナー」を紹介します。 1983年、アメリカの心理学者で行動分析学の創始者であるバラス・スキナーがオペラントチェンバー、あるいはスキナーボックスと呼ばれている装置でネズミとハトの行動を研究した。 実験の結論として、明らかになった法則性があった。その法則性とは、強化、弁別、消去、罰などである。これらの実験から、スキナー言語行動を「他者を介してオペラント」として「オペラント条件付け」をスキナーは提唱した。 スキナーの貢献に国境は存在せず、行動主義と行動主義心理学は、いくつもの変遷を経ながら一貫して、アメリカを中心に常に人びとの関心事でした。行動主義の影響は、英国、アイルランド、ブラジル、メキシコで特に顕著に見られる。また、行動分析学とは、新行動主義心理学をさらに改革し、新たに起こした徹底的行動主義に基づく心理学の一体系のことである。
参考文献 ウィリアム・T・オドノヒュー/カイル・E・ファーガソン/佐久間 徹 監訳[スキナーの心理学],(有)二瓶社[大阪市]2005/12/1[1〜103]
問2 「エクマン」を紹介します。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の心理学教授ポール・エクマンは、一九五八年、アデルフィ大学で心理学の博士号を取得した後、二年間、ニュージャージーのUSアーミーで主席心理学者として仕えた。その後、研究室に入り、六十年代半ばに、顔の表情と感情の研究をはじめた。菅(2006) エクマンはある実験を初め、喜びや楽しみを感じる幸福、怒り、悲しみ、嫌悪、驚き、恐怖の6つの感情について「顔面表出」が文化によらず普遍的であり、その顔の動きを記述する単位として、アクション・ユニットを定義した。 ある実験とは、ニューギニア訪れ、それぞれの感情を表している写真を見せ、「今、起こっていること、この人物がこんな顔をする前に起こったこと、これから起ころうとしていることを教えてほしい」といい答えてもらうというものだった。そして、彼は基本的な感情のリストを作った。
参考文献 ポール・エクマン/菅 靖彦 訳[顔は口ほどに嘘をつく],株式会社河出書房新社[東京都渋谷]2006/6/30
最終レポート課題1 私は、「行動変容」について説明します。 「行動変容」とは「出来なかったことを出来るようにする」や、「やめたいことをやめる」といった学習です。 また、行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、以下の【図】のように「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えます。https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-07-001.html 「行動変容」の事例として、「タバコをやめたい」を挙げます。「無関心期」→特にタバコを辞めると思っていない「関心期」→肺がんのリスクや、家族、友人への被害を考えてタバコを辞めようと思う「準備期」→自分の周りの人や紙などに自分は今から行動に移すと宣言する「実行期」→1日のタバコの本数を減らす、1日ごと、1週間ごとに減らす。その場で今手持ちのタバコを全て捨てるなど行動に少しずつ動かす。「維持期」→ストレスをランニングや、ウェイトトレーニングに置き換える。禁煙行動を続ける上で周りからのサポートを活用する。活動を続けていることに対して「ほうび」を与え、最終的にタバコから離れさせるという事例です。 この事例は、タバコを辞めるための行動、5つのステージを通り、「やめたいことをやめる」という「行動変容」の事例として該当します。
課題1 私は「手続的記憶」について説明します。 「手続的記憶」とは道具の使い方や玩具の遊び方、車の運転の仕方など、「徐々に体で覚えた記憶」のことを言います。 実例として、私は焼肉屋のキッチンでアルバイトをしていました。入社当初は提供する料理の作り方を1から10まで何もわかりませんでした。しかし、料理を最初はレシピを見ながら練習で作っていたのですが、日にちが経つとともに、次々とレシピを見なくても料理を作れるようになりました。これは、最初はレシピという工程を見ながら順番通り作っていたのが、何回も作る毎に徐々に体で作り方を覚えたという「手続的記憶」の実例として該当します。
課題2 ・7章「エリクソン」について エリクソンは、生活環(ライフサイクル)という概念を用いて、人の発達が一生続くという生涯発達(ライフタスク)を唱えた人物である。この生涯発達には、幼児前期(2~4歳)、初期青年期(20~39歳)のように年齢ごとに区切りを打って、どのような発達があるのかということを明らかにした。このことから、エリクソンは、個人の発達に関してのアイデンティティという概念を発達段階に表し、年齢ごとの発達に関しての段階を発見し、個人の精神や発達に関して各々の年齢での発達と行動に関しての発展に貢献した。 https://coeteco.jp/articles/10725 ・12章「エリス」について エリスは、1950年代に認知行動に関する倫理療法を開発し、教科書でも書かれているように「不合理な信念」があると唱えた。これは、表面化している問題を解決するのではなく、行動に対してその背景にある本人の受け止め方や誤った行動などを個人に着目し、ここで気づきを修正し、治療するということである。ここからわかることは、エリスは、認知行動に対して、行動療法を唱え、心理学を専門とするカウンセラーや認知に対する治療法を世に広め、貢献した。 参照資料 https://moodle.sgu.ac.jp/course/view.php?id=10663
問題1 ・8章「ネガティビティ・バイアス」について これは、人間は特に、ネガティブな対象が認知などの機能に大きく影響を与えていることが多く、これが対人に対しても上記のことが影響されており、よくない情報を鵜呑みにしてしまい、良い情報と良くない情報とでは、良くない情報の方が印象に残ってしまうことである。例えば、相手に自分のことが好きか嫌いかという質問をしたとき、嫌いといわれたときに、嫌いという良くない情報が印象に残ってしまい、このネガティブな対象が対人に対して作用される。 参照資料 8章 感情はどのような役割を果たしているのか-感情心理学- ・12章「質問紙法」について 質問紙法とは、あらかじめ決められた手続きを用いて、いろいろな人がこの方法を行っても同じ結果がでやすいというものである。ただ、あらかじめ決められた手続きを行なったとしても偽りの回答がでやすいというデメリットもある。これは、質問をされる場面やされている質問の重要度、質問をされる側の問題行動(例えば、友人が窓ガラスを割った犯人を探すために質問紙法を行なったなど)によって、質問をされる側の友人を守るなどといった心理的な要素が働きおこる。 参照資料 12章 心の問題へのアプローチ-アセスメント-講義資料
最終レポート [問題1]「手続的記憶」(6章)手続的記憶はそもそも記憶というものを2種に分けたときに長期記憶、短期記憶の2つに分けられる。その長期記憶の1つの内容である。この手続的記憶はルールや体で覚えたことの記憶である。特徴として一度覚えれば基本忘れることはない。例えば泳ぐという行為も過去に行い何年もやっていなくても体力などの衰えなどはあるが泳ぐことが可能である。
「敏感期」(7章)敏感期は小さい子が発達するうえで必要なものである。行動を始めようとしたときに特定の時期で学んだ人とその特定の時期を過ぎてから学ぼうとした人がいる。後者は前者よりも時期が過ぎているためより多くの努力をしなければならなくなる。この時期を「臨界期」別名「敏感期」という言い方で表している。例えばその時期に絵を描くという行為をしなければ大きくなって絵を学ぼうとしても難しい。
最終レポート 問題3
「学習」(第2章)「模倣」(第3章)
学習と模倣、この2つは類似している部分がある。
まず、学習とは教科書P34では「できなかったことができるようなる」と述べている。
例えば、分からない計算問題が勉強することで、解けるようになったといった不可能が可能になる瞬間のことをいう。
また、模倣の意味は簡単に言うと真似をするということだ。
他者の真似をし、物事を覚えていくスタイルで、例を挙げると、サッカー選手の動きを考察し、その選手のドリブルの真似をし、習得するといったことだ。
学習と模倣の類似している点はどちらも目標を掲げており、その目標に向かって努力することで、知識、またはスキルを得ることができる。 以上が類似している点だ。
しかし、学習と模倣には矛盾している点も存在する。 学習は自主学習といった個人で勉強し、知識を得ることができるのに対し、模倣は目標にする他人がいないと成り立たない。
最終レポート 問題2
「バンデューラ」(3章)
本名 アルバート・バンデューラ
バンデューラはカナダ出身のアメリカの心理学者で、心理学史上に観察学習という概念を提唱した人物である。
観察学習とは「他者が学んだ知識を、観察することで学ぶ学習」という意味である。(教科書P59)
例を挙げると 幼い頃は正しい箸の使い方を知らない。しかし、子は親を見て育つように、親の箸の持ち方を見て覚える。いわゆる模倣であり、個人の経験だけではなく、他人の経験を学び、それを活かすということだ。
バンデューラは観察学習に関する実験として、ボボ人形実験というものを実施した。
ボボ人形実験とは 「バンデューラが行った幼児の観察学習実験のこと。お手本役の大人がボボ人形を攻撃的に扱い、その様子を幼児に見せると、幼児は攻撃的な行動をとる可能性がある」(やさびと心理学、2023)と記載されている。
また、教科書では次のような実験内容が記載されている。 「子どもたちに2種類のビデオを見せた。1つは大人が人形を攻撃しているものであり、もう1つは遊んでいるものである」(教科書P59)。 結果的には子どもは人形を攻撃するようになったとされている。
その理由は「人形に対する行動は、自らの体験ではなく他者の行動観察することで獲得された」(教科書P59)と記載されており、これはバンデューラ自信が論じたこととされている。
この実験結果から「学習が個体レベルで生じる」(教科書P59)とされていた固定概念をバンデューラは観察学習というものを広め、当時の学習心理学の考え方を改めさせるきっかけになった人物である。
参照文献 やさびと(2023) 「ボボ人形実験とは?バンデューラが行った実験内容・結果を簡単に解説」 https://yasabito.com/1229
「ウィリアムズ」(第11章)
本名はドナ•ウィリアムズという名であり、この人は「自閉症だったわたしへ」という本を出版した人として知られている。 ここからはドナと呼んでいく。
また、ドナは自閉症であり、この本は世界初の自閉症者が書いた本であるとされている。
自閉症の症状は複数存在しているが、主に有名なのは対人関係が苦手だというところである。
「ドナは1963年、オーストラリアで決して裕福とはいえぬ両親から生まれた」(障害保健福祉研究情報システム、2004)。
参照した文献では次のように述べられている。「生まれて初めて夢を見た。あたりは一面真っ白の世界。何ひとつなく、どこまでも果てしなく白い世界。そこをわたしが歩いている。そしてわたしのまわりにだけは、明るいパステルカラーの丸がそこら中にいくつも浮かんで、色とりどりにきらめいている。そのきらめきの中を、わたしは通ってゆく。きらめきもわたしの中を通ってゆく。うれしくて、声を上げて笑いたくなる」(障害保健福祉研究情報システム、2004)。
この文には自閉症の本質がよく表れているといわれている。
「ドナはこの夢を昼でも気にせずに見ようとしていたらしいが、親は不審がり、質問した。しかし、返答はその質問のオウム返しであり、自閉症を理解していなかったドナの母は、3歳半まで平手打ちをしていた」とされている。(障害保健福祉研究情報システム、2004)
自閉症はこのように身体的見た目に出ないため、すぐには分からず、意味不明な発言をし、他人を不快にさせたり、困らせてしまうケースが多く存在する。 また、自閉症の人は自己中心的な部分もある。しかし、教科書P177で記載している通り「決して他者を無視して孤立しているわけではない」とされている。この「自閉症だったわたしへ」という本を読むことで自分のような自閉症で悩んでいる人のことを理解してもらうために、出版し、自閉症で困っている人たちを救おうとした。
以上のことから、ドナ・ウィリアムズは心理学史上、自身の経験を通じて本を出版し、自閉症の理解と支援に取り組み、貢献してきた。
参照文献 障害保健福祉研究情報システム(2004) 「ドナ・ウィリアムズ著、河野万里子訳『自閉症だったわたしへ』」
https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n271/n271017.html
最終レポート 問題1 「ネガティビティ・バイアス」(8章) ネガティビティ・バイアスとは教科書P136では「よい情報とよくない情報が提示されたときには、よくない情報のほうに重みのかかった印象を形成する傾向がある」と述べている。簡潔にいうと、人間という生き物はポジティブな情報よりもネガティブな情報が印象に残りやすく、その人の悪い面ばかり見てしまうということだ。これは私が体験した実例である。私と同年代のAさん(当時、高校2年生)はテニス部に所属していた。Aさんは3年生の先輩や私たち2年生の人には気さくに接しているが、1年生の後輩に対してとても厳しい人であった。主に後輩に球拾いをさせて、自分は休憩といったところだ。もちろん先輩方にはAさんは可愛がられていたし、ムードメーカー的存在で明るく振舞っていて人気者だった。しかし、周りから見たら後輩には厳しく接し、先輩には笑顔で対応しているところをみると、媚びを売っているように見え、悪い所が目立っていた。このように一度、他人に悪い印象を与えてしまうと、その印象が定着してしまい、いい所もあるが、悪い所ばかり気になってしまう。これがネガティビティ・バイアスである。
「葛藤」(10章) 教科書P157の説明では、「接近欲求(好ましい状態やものに近づきたい)、回避欲求(好ましくない状態から逃れたい)といったこれらの欲求が複数生じ、さらにそれが拮抗するとき、欲求を達成するための行動がとれなくなってしまうことを葛藤という」と述べている。葛藤は簡潔にいうと、2つの選択肢があり、その2つとも同程度の価値、魅力といったものがある。そのため、どちらかを選択しなければいけない状況ということである。葛藤にはいくつか種類が存在する。 ①接近ー接近葛藤②回避ー回避葛藤③接近ー回避葛藤 ④二重接近ー回避葛藤、以上の4種類だ。 それぞれ4種類について私自身の実例を入れて説明していく。初めに①の接近ー接近葛藤について説明する。教科書P158ページでは「あちらもよし、こちらもよしといった、同じくらい魅力的なものが2つあるのに片方しか選択できない状況」と述べている。 これはどちらも捨て難い状況を指している。例、食後にバニラアイスを食べるか、それともチョコアイスを食べるか。これは食後であるため、満腹感もあり、2種類のアイスを食べることができない状態である。そのため、どちらか1つを選び、もう1つを諦めなければいけない。 次に②の回避ー回避葛藤について説明していく。 教科書P158では「あちらもいやだ、こちらもいやだ」といった、同じくらい嫌ということである。例、お風呂に入るのはめんどくさいから嫌だ。しかし、お風呂に入らないと体が臭くなるのも嫌だ。その他にも 野菜は美味しくないから食べるのが嫌だ。でも野菜を食べないと不健康になってしまうのも嫌だ。 など。この2つの例は、逃れたいのにそう簡単に逃れられないという状況である。 ③の接近ー回避葛藤について説明していく。 教科書P158~159では「目標の中に魅力的な面といやな面が含まれている場合、その目標に接近すべきか回避すべきか判断できず、行動不能になる」と述べている。簡単に言うとメリット、デメリットがあり、選択できない状態ということだ。例、今、私はダイエットをしている。しかし、ラーメンがどうしても食べたくなってしまった。でも食べてしまうと太ってしまい、ダイエットの意味がなくなってしまう。これはラーメンが食べたい(接近)と食べたら太る(回避)という気持ちが混在していることを表している。最後に④の二重接近ー回避葛藤について説明する。教科書P159では「2つの目標のそれぞれに魅力的な面といやな面が含まれており、どちらか1つを選びがたい状態である」と述べている。例、ユニクロの服は少し値段は高いが品質がとてもよく長持ちする。一方、GUは値段がユニクロに比べて安いが、品質は少し劣る。この例はまず、ユニクロの魅力的な面として、「品質がよく、長持ちする」という点と逆に嫌なところは「少し値段が高い」という点だ。次にGUの魅力的な面は「値段が安い」点であり、嫌なところは「ユニクロに比べ、品質が劣る」という点だ。これは良い所と悪い所の両方を持っており、葛藤が二重接近ー回避葛藤に当てはまる。
問題2 「バンデューラ」(3章)について紹介します。 バンデューラは、観察学習を提唱した人物である。観察学習の実例は、子供たちに2種類のビデオを見せて、1つのビデオは大人が人形を工芸してるものであり、もう1つは遊んでいるものである。その結果、最初のビデオを見た子供たちは、人形を攻撃するようになった。つまり、人形に対する行動は、他者の行動を観察することで獲得された、と彼は論じた。これは学習が個人だけで生じるとした当時の学習心理学の答えに一石を投じた。 観察学習の成立基準に関して、これまで幾つかの論戦があった。学習は連合の変化とか、遂行の組織的変化としてとらえられるだろう。連合の変化する場合、ある刺激に対してある特定のやり方で反応するようになることが学習となる。2つの事象が同時に生起するという相関的経験の結果、現在ある行動形態が以前には全く反応しなかった刺激や実質的に違ったやり方で反応していた刺激の制御下に置かれるようになる。例えば、人々は赤信号で停止したり、苦痛な経験をした場所や事物を避けたり、特定の状況下で報酬を受けたり勇気づけられた活動を遂行するようになる。また、ある音や光景に対して情動的に反応するようになる。ここでは学習は行動自体の特徴の変化としてよりも、刺激制御の変化として定義される。 参考文献:新装版「モデリングの心理学」アルバート・バンデューラ編原野宏太朗・福島脩美共訳(2020)33P したがって、バンデューラは観察学習を提唱して当時の学習心理学に貢献した。 「オルポート」(5章)について説明します。 特性論の代表的なものの中でも最も歴史のあるオルポートの理論では、まず多くの人が共通してもち、違う人どうしで比べることのできる特徴である共通特性と、さらに個人特有で人と比べられないような特徴である個人特性とに分けた。共通特性として、人の特性を表す言葉を辞書から1万7953語も選び出し、同じ意味をもつ言葉どうしを整理、分類した。その結果、外交的と内向的、支配的と服従的、など14の共通特性を挙げることができた。 オルポートの重視する個別特性は、共通特性と対比させると理解しやすい。このため、彼の特性論をみるのに諸性格のうち、多くの人々に共通にある性格特徴を共通にある性格特徴を共通特徴を共通特性、その人に特徴的にある性格特徴を個別特性とし、前者からみていこう。多くの人たちから共通にある性格特徴をとり出す共通特性論では、人間の理解には何か「比較できて測れるもの」がなければ科学として意味がないとする。先鋭的な共通特性論者は、誰もが共通を持ち、人間理解にとって基本的に重要な性格の側面を考え、これに、社交性とか支配性とか命名する。この社交性とか支配性のようなまとまりを、次元とか因子とか共通特性とかよぶ。一般にいうテストは、この考えに立って、作られているのがわかる。つまり、共通にあり、程度の違いがあるから それを測る物指で個人がどの位その特徴を強くもっているかが測定できる。 参考文献:有斐閣新書「パーソナリティの心理学」星野命・青木孝悦・宮本美沙子・青木邦子・野村昭著(1982)22P したがって、オルポートは個人特性や共通特性について研究してたことで心理学に貢献していたことが分かる。
最終レポート 問題1 運動視差についての説明をします。 運動視差とは、運動視差とは奥行き知覚の手がかりとなる視覚的運動情報の一種である。 出典https://www.l.u-tokyo.ac.jp/postgraduate/database/1998/135.html 教科書29ページの図1.5では、前進して歩いている人が外景を眺めるときに山や雲の外景はほとんど静止していて、近景の木は速く動いているように見えることを説明している。 運動視差について私が説明する事例は、走っている乗り物に乗っている時に、遠景の海や山などはほとんど静止していて近景の住宅街などは速く動いているように見えている。したがって、教科書の内容と私が説明した事例は該当するといえる。 手続的記憶についての説明をします。 手続的記憶とは、やり方やルールの記憶、体で憶えた記憶です。 出典http://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/45-1/index-45-1.html 教科書105ページで手続的記憶は道具の使い方や車や自転車の運転方法を体で憶えている記憶と説明している。 私が説明する実例は、アルバイトでの仕事で料理の作り方を体で憶えていることです。したがって、教科書の内容と私が説明した実例は該当するといえる。
最終レポート
問題2 2-1 ピアジェについて ピアジェとは、方法論とともに1960~70年代に広く受け入れられた発達段階理論を唱え、子どもに関する理解を深めるという点で主に発達心理学分野に貢献をしたスイスの心理学者である。彼はこどもの詳細な観察に基づき、人間の知能能力は、感覚―運動器、前操作期、具体的操作期、形式的操作期という4段階を順に経て発達していくと仮定した。発達段階理論では、こどものさまざまな心的機能を対象とし、発達を質的な変化として捉え、さらにその進行過程を体系化した。認知能力の発達がみな同じ順序で進むことや前の発達段階が次の発達段階の基盤となることを示した点が大きな功績であると考えられており、その業績から、彼は発達心理学の父と呼ばれている。また、こどもの位置づけにおいて、経験主義者による「無力なこども」というこれまでの捉え方を改め、「能動的に環境に働きかけ、外界を知り考えようとする存在」とした。
こどもを無力な存在としてではなく、能動的な存在として捉え、自身のこどもの観察をはじめとする研究を行うことで、子どもに関するより確かな理解に貢献したと考えられる。また、発達段階理論の方法の1つである「話すことが可能なこどもを対象に実験的な状況下において質問をする」というものは臨床面接法と呼ばれていることから、心理学研究法にも貢献したと考えられる。
出典:相馬花恵・板口典弘編 「ステップアップ心理学シリーズ 発達心理学 こころの展開とその支援」 2013 講談社.
2-2 エリクソンについて エリクソンとは、心理学の分野で成人期以降の発達段階を提唱し、生涯発達の観点をもたらしたことで発達心理学の分野に貢献したスウェーデンの心理学者である。彼はライフサイクル、すなわち心理社会的発達論という独自の発達論を作り上げた。この発達論では「人間は生まれてから死ぬまで、生涯に渡って発達する」という考えのもとに、人間の一生を八つの段階に分け、それぞれの発達段階で獲得すべき発達課題を設定した。彼は、「否定的な部分を抱えながらもそれを克服し、肯定的な部分を見つける」という意味で各段階に肯定的側面対否定的側面を対として設定した。 また、彼は両親の離婚や自身の放浪などにより何度も名乗りが変わっており、最終的に名乗るようにしたのがエリクソンである。エリクソンとはエリクの息子という意味であるが、過去のさまざまな経験から自分は誰なのか、自分の親は誰なのか、他にも国や宗教について何なのかと問い続けた。このことは、彼の中でアイデンティの概念を発展させ、後に彼が提唱したライフサイクルの中の青年期の発達課題であるアイデンティの形成へとつながったと考えられる。
発達課題は人間の各発達段階における発達の目安とも捉えることができるため、とても重要なものであると考えられる。以上のことから、エリクソンは人間の発達をより明確に示すことで、発達心理学に貢献をしたと考えられる。
出典:増田梨花編 「絵本とともに学ぶ 発達と教育の心理学」 2018 晃洋書房.
問題3への回答 「個人差」5章と「発達」7章 個人差とは、人、男女、民族による人間の精神特性や過程の差異について、その特徴や構造を明らかにしようとすることである。発達とは、受胎から死に至るまでの心身の形態や機能の成長・変化、生涯にわたる時間的流れを背景としている。人が生まれ、発達をしていく中で、それぞれの人としての違いつまり個人差という概念が生まれたのではないかと考える。早生まれと遅生まれいう言葉がある。早生まれの子どもより遅生まれの子どもの方が学力成績が良かったり、体格差があり体育などの学校の授業で差がでたりする。これは、同じ学年でも、発達の違いの個人差があるといえる。したがって、個人差と発達は相関関係があると考える。 出典:フィリップ・J・コー編,中村菜々子・古谷嘉一郎監修、『パーソナリティと個人差の心理学・再入門』新曜社,2021.
●問題3 自己認知(3章)と自己観(9章)の自分の存在や能力を認識するというところが類似している。 自己認知とは、周りから見て、自分がどのような状態にあるのかがわかることである。自己はまず、幼児期に身体とそれ以外の視覚的環境との区別からはじまり、身体を中心に体制化される。その後、他者から見た自分を推測し、周りに合わせた適切な行動をするように自分で調整できるようになる。 自己観とは、自分はどういう人間なのかという問いに対する自分なりの答えである。自己観には、相互独立的な自己観と相互協調的な自己観がある。前者は自己を他者から分離した独自の実体と捉えるもので、後者は他者と互いに結び付いた人間関係の一部として自己を捉える考えである。この2つの自己観の認知、感情、動機づけなどの心理過程は大きく異なる。また、自己観は社会的表象であり、必ずしも個人的・認知的表象ではない。社会的表象は何らかの形で認知的表象に反映され、個人の自己スキーマや様々な自己概念などの自己認識に影響する。 したがって、自己認知と自己観はともに、自分が何であるのかを認識することである。さらに自己観を2つに分けて、自己認知との類似している点を探すと、相互独立的な自己観は、自分の身体とそれ以外を分ける幼児期から始まる自己認知である、自分と他のものは独立した存在だと認識する点が似ている。しかし、相互独立的な自己観の自分と他者との分離には、自分の身体が他のものと区別されることのほかに、自分の内面も区別されているという意味が含まれている。また、自己認知は他者から見た自分を推測した結果で自分を認識することだが、相互独立的な自己観は個人としての自分を認識することである点が対になっている。一方、相互協調的な自己観と自己認知は、他者との関係から影響されるものである点が類似している。そのため、周りの人や状況によって自分をどう捉えるのかが変化する。
出典:https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/282527/1/eda27_182.pdf https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep1953/47/4/47_480/_pdf
問題2への回答 「ピアジェ」 ピアジェの発達段階論は、発達理論として非常に有名である。ピアジェによって提唱された「認知発達理論」は、人の知能・心理の発達を「生物的な成長」と「成長過程の中で知識・経験を重ねたことによる成長」の両面から考察した。この認知発達理論では、認知力の成長を4つの段階に分けて考える。これが、発達段階論である。発達段階論において、0~12歳の子どもの認知力(知覚・記憶力・推理力・言語能力など)の成長順序は、個人差はあるものの普遍的なものだとした。ピアジェは人が生まれてから色々なものを認知し、学んでいく過程を「シェマ」「同化」「調整」の3段階に分けた。自分の周りで起きる出来事を認識する枠組みを「シェマ」、持っているシェマをほかの物に当てはめようとする行為を「同化」、持ち合わせているシェマと矛盾が生じて同化できなかった際に、シェマを変化させることを「調節」という。このように、ピアジェは子どもの施行の発達過程を系統立てて明らかにし、発達心理学に大きく貢献した。 出典:佐藤隆夫・下山晴彦・本郷一夫監修,林創編『発達心理学』ミネルヴァ書房,2019,
「ロフタス」 ロフタスは抑圧された記憶の概念に対する批判やのちに与えられた情報などによって変容する偽りの記憶「虚偽記憶」の研究をしている。虚偽記憶は、主にエピソード記憶における思い違いを指している。この虚偽記憶は、実際には起こっていない出来事についての記憶であるにもかかわらず、時として非常に強い確信度を伴うことが知られている。つまり、虚偽記憶はだれしもが、それを虚偽の記憶だとは思わずに、持っている可能性がある。記憶の変化のしやすさこそが虚偽記憶を形成してしまう原因である。長らく心理学では、記憶は脳の中の貯蔵庫のようなところに入っていて、長く入れておくとなくなってしまうこともあるが、基本は変化しないもの(貯蔵庫モデル)と考えられてきた。しかし、ロフタスは様々な実験を通して、記憶の変化は事後的に提示された情報によって起こると、証明した。以上のことから、ロフタスは心理学に大きく貢献した。 出典:菊野春雄,『嘘をつく記憶』講談社,2000.
問題1 ⒈水平伝播について 水平伝播を説明するにあたって、まず理解しなければならない言葉が「ミーム」である。ミームとは社会学習によって伝達される情報の単位のことで、進化生物学者のドーキンズが名付けた。しかし情報という言葉は境界線が曖昧なため、情報をもたらす行動、技術、規則などもミームと同一視される。水平伝播とは、このミームが同時代の集団に対して伝達されることだ。子どもが遊具の遊び方を理解することは、水平伝播の事例として挙げられる。公園には、ターザンロープや鉄棒など、初見では使い方の分からないような遊具が様々ある。初めて公園に訪れた子どもたちはそれらの使い方をどのようにして理解しているのだろうか。まず親と一緒に公園に来ていた場合は、親から言葉で教えてもらったり、実際に使うところを見せてもらうことで使い方を理解する。1人で来ていた場合は、他の子どもたちが遊んでいる様子をモデリングし、真似することで使い方を理解する。このように、同時代に生きる人々との間で、言葉やモデリングによって遊具の使い方が伝達されていくのは、水平伝播の事例といえる。そして水平伝播の特筆すべき点は、情報伝達の圧倒的速さである。一般的に人間を含めた動物は、遺伝子の情報が親から子へと垂直に伝播し、ゆっくりと進化していく。だがミームは生殖に関係なく、同時代の個体間で急速に伝達されていく。人間は、ミームによる文化的進化によって絶大なスピードで発展してきた。つまりこのミーム伝達の要となる水平伝播こそが、文化的進化の核といえる。
参考文献 青木健一(2002).「人類文化の伝播の定量的な扱い」『地学雑誌』111巻,pp849-855
2.ネガティビティ・バイアスについて ネガティビティバイアスとは、人はポジティブな情報よりもネガティブな情報に引っ張られてしまうことをいう。ジル・クライン(1991)によると、人は投票行動において最終決定をする際、候補者の長所よりも短所を重要視するという。これは、投票者がポジティブ感情よりもネガティブ感情に引っ張られるネガティビティバイアスの事例といえる。人間がネガティビティバイアス傾向になる理由として、顔面表情の認識や感情表出において、右脳の優位性があること挙げられる。人間の脳は感情体験において、右脳と左脳で別の役割がある。左脳がポジティブ感情、右脳がネガティブ感情の感情体験に寄与している。つまり、ネガティブ感情を司る右脳が優位なため、人間はネガティビティバイアスになるのだ。一方で、加齢に伴う感情変化についての研究では、ネガティビティバイアスは誰にでも当てはまるわけではないことを示している。快および不快の表情を示す顔面写真を提示し、fMRIにより扁桃体の活動を測定した実験を幅広い世代を対象に行ったところ、20代の実験参加者よりも、70代の参加者の方が、快の表情に対してより高い活動性が見られた。これは高齢者が若年成人と比較して、ネガティブ感情よりもポジティブ感情を喚起するものに対してより多くの注意を払うことが分かる。つまり、感情体験の量が多い高齢者は単純にネガティブな感情には引っ張られないといえる。
参考文献 日本心理学諸学会連合 心理学検定局編,心理学検定基本キーワード改訂版,2022年,実務教育出版,p.145,148 https://academic-accelerator.com/encyclopedia/jp/negativity-bias#google_vignette
問題1への回答
「手続的記憶」 手続的記憶の該当事例として「ピアノの演奏」を挙げる。まず、手続的記憶とは長期記憶に分類され、大脳基底核と小脳が中心的な役割をはたしている。大脳基底核は、大脳半球の基底部にある神経細胞の集合体で随時運動・眼球運動・学習・記憶のような様々な場面で働く。運動に際しては、運動の動機づけや意志といった内部刺激として働くことで運動の計画に作用する。小脳は運動をコントロールし、皮膚や筋肉からの情報を受け取っている。歩く・走る・立つ・座るなどの運動がスムーズに行われるように指令を出している。つまり、手続的記憶とは、文章から理解した知識ではなく、訓練などによって獲得した運動知識のことである。ピアノの演奏がなぜ該当事例として挙げられるか説明する。ピアノの演奏というものは、右手・左手の動きによって鍵盤を弾くことで音を奏でる。ピアノの演奏の仕方を文章として知識を獲得しても、実際に弾くためには指を正確に動かすという運動が必要になる。このようにピアノの演奏は文章としての知識では成り立たず、運動を通して反復経験したことを、記憶として残るという部分から手続的記憶の事例として適切であると考えられる。 出典:エリック・R・カンデル,ラリー・R・スクワイア『記憶のしくみ上』桐野豊・小西史朗監修,講談社,2013.
「葛藤」 葛藤の該当事例として「ケーキは食べたいけど太りたくはない」という状態を挙げる。まず、葛藤とは同程度の強さの2つの欲求が存在するとき、その両方を選択することはできないために悩み続け、どちらを取るか決めかねている状態のことである。ここでいう2つの欲求とは好ましい状態や物に近づきたいという「接近欲求」と、他方の好ましくない状態から逃れたいという「回避欲求」である。K.レヴィンは葛藤を3分類した。 1.接近-接近型葛藤 2.回避-回避型葛藤 3.接近-回避型葛藤 「ケーキは食べたいけど太りたくはない」という事例は3に該当する。ケーキを食べたいという考えは、自分の好ましい状態になりたいという考えである。一方でケーキを食べてしまえば太ってしまうという状態は避けたいと考えている。同程度の強さの2つの欲求が存在し、悩み決めかねているこの状態は葛藤の事例として適切であると考える。 出典:野口寿一『心理療法における葛藤と現代の意識』創元社,2015.
問2 第2章のスキナーを紹介する。すべての人間の行動を二つに分類し、レスポデンとオペラントに分けた。レスポデンとは生物として決まりきった行動パターンで睡眠など生存のための行動でそれ以外をオペラントという。できないことをできるように辞めたいことをやめられるようになる要因としての因子と作用がある。マイナスなことが起きると弱化因子、行動が繰り返される確率を減少させる環境からの反応が起きる。プラスなことがあれば強化因子、行動が繰り返される確率を増加させる環境からの反応。この二つ飴と鞭で使い分けることで行動変容を操れることを発見した。 https://dialog-coach.link/bf-skinner/
第7章のピアジュの紹介。ピアジュは発達段階論の考え方で、成長していく過程で様々な感覚を得ていき右肩上がりに発達していく人間観である。年齢ごとに発育する特徴をあいまいではあるが抑えておりこれを応用することで成長幅を大きく上げることができる。具体的操作期は論理的思考力が発達し、相手の気持ちを考えて発言・行動できるようになります。数的概念が理解できるようになり、重さ・長さ・距離など比較も可能になる。つまりこの時期に数学などが伸びやすく理解できるようになる。 https://chiik.jp/7h8rt/
心理学 問題1 水平伝播の実例。私の家系は農業をしており、農業の知識を世代から世代へと伝達させている。作物の育て方はネットなどを見ればわかるがその土地にあった肥料やその土地の気候など育て方が変わってくる。その知識を町で伝えていっている。水平伝播は遺伝子的な伝達ではなく、脳に保持された知識や文化を共有することである。(世代を跨いでも)作物の作り方を集団で共有しているため水平伝播の実例だといえる。 操作的定義の事例。私は操作的定義の事例に幸福度がどれだけ高いかを測るテストを上げます。幸福度は人それぞれで明確ではないものですが基準を決め数値化することである程度図ることができます。操作定義とは重さや長さ手に触れられないものや実体のないものに基準を作り数値化してみることなので、幸福度のテストは実例であると言える。
●問題2 1.セリグマン(10章) 1998年に、アメリカ心理学会の会長であったセリグマンはポジティブ心理学を提唱した。ポジティブ心理学は、従来の精神的な弱さや障害を中心に研究してきた心理学に対し、これまで見過ごされがちであった人間の精神機能のポジティブな側面にも注目している。このように、ポジティブ心理学とは、人間の精神機能のポジティブな側面とネガティブな側面をバランスよく研究することで、人々の幸福感の強化を目指し、どのような要因がどのように幸福感の向上に関わっているのかを解明するというものである。また、ポジティブ心理学の中核には、楽観主義という概念がある。セリグマンは、楽観的説明スタイルには大きく3つのスタイルがあるとしている。第1に、不幸な出来事に遭遇したときに、それは「一時的」なものであり、永続するものではないと考える説明スタイルである。第2に、不幸な事態は「特定的」な原因によるものであり、普遍的な原因によるものではないとする説明スタイルである。第3に、不幸な出来事は「外向的」な原因も考えられ、必ずしも自分だけに原因があるのではないとする説明スタイルである。この考え方は、「うつ病」や「不安症」などの精神的治療において、効果的であるとされている。しかし、セリグマンは第3の説明スタイルに、自分の責任を他のものに転嫁する危険性も含まれていることを示唆している。また、うつ病や不安症を必ずしも楽観主義によって治せるとは限らない。このように、楽観主義には限界があること、楽観主義は現代人に自己のアイデンティティや目標や希望を与えるべく、発展する必要があることをセリグマンは指摘した。セリグマンは心理学史上、人々の精神疾患を治すためのほか、人生をどうすれば幸せにできるのかについて研究することに貢献した人物である。
出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/55/1/55_178/_pdf/-char/ja アニーシャ・ニシャート・鈎治雄(2018)「楽観主義と現実的楽観主義」『教育学論集』第70号.2018年3月.201-212.
2.エリクソン(7章) エリクソンは、発達の各時期に自我の葛藤が存在し、時期ごとに葛藤を乗り越えポジティブな自我の働きが優勢になることで健全な発達が送れると考えた。それが、自我発達理論である。彼は、人の誕生から死ぬまでの生涯発達をライフサイクルと呼び、乳幼児から老年期までの8段階に設定した発達段階モデルを提唱した。このモデルは、漸成的発達という、身体の各器官が各々固有の発生時期に沿って、段階を踏んで徐々に作り上げていくことである発生学の考えを取り入れている。そして、人の心理社会的な発達も適切な条件が整えば、誰もが漸成的な法則に沿って発達していくと仮定し、その発達段階ごとに固有の発達課題を、漸成的図式を用いて示した。漸成的図式では、右上に向かう対角線上の乳幼児期から老年期までの各段階において、成長を支える肯定的な面と、試練を示した否定的な面の両方の危機が強調され、それぞれの段階で危機に直面し、葛藤を解決していくことが成長にとって重要だと考えられている。例えば、青年期において、肯定的な面として「アイデンティティ」、否定的な面として「同一性混乱」が設定されている。一方、解決できずにアイデンティティの危機が何らかの形で存在した場合、その段階が終わってもまたそれぞれの段階に適した形でアイデンティティの危機が存在することを漸成的図式は示している。つまり、段階ごとの課題を乗り越えられないと、安定した人格を保つことが困難になり、他の段階にも影響を及ぼす。したがって、人格の安定には前の発達の段階での課題をこなせたのかが関わってくる。また、エリクソンは「自分が自分であること」「自分が誰であるか」を知っていることを「アイデンティティ」という語を用いて説明した。このアイデンティティとは、自分だけが納得していれば良いわけではなく、他者や社会から是認されているものであり、他者に対する自己の存在の意味として自己と社会との相互性の中に位置づけられたものでなければならない。つまり、自分がほかの誰とも違う独自の存在であるという感覚の斉一性、過去から現在にわたって自分が時間的に連続しているという感覚である連続性があることが重要である。最後に、エリクソンのアイデンティティの概念は彼の、父親を知らないこと、祖国ではないアメリカで生活することによる、「自分とは何か、自分はどこに属しているのか」という問いに長く向き合ったことで形成されたものだ。「エリクソン」という名字は、養父の名字であるホンブンガーから改名し、自分のエリクという名前に「ソン(son=息子)をつけたものである。そして彼は、「自分自身をエリクソンの息子にし、自分が自身の創始者になるほうがいい」と述べたという。エリクソンは心理学史上、人の発達段階を8つに設定し各段階で課題があること、アイデンティティの概念を提唱したことで、発達心理学や精神分析に貢献した人物である。
出典:小山隆之(2022)「心理学検定 基本キーワード 【改訂版】」『実務教育出版』 2022年11月5日. 中道圭人・小川翔大(2021)「教育職・心理職のための発達心理学」『ナカニシヤ出版』2021年3月31日.
問題3 「感情」(8章)と「ストレス」(10章)
感情とストレスは密接に関係している。なぜなら、ストレス反応と呼ばれるものは不安、イラつき、抑うつ感、無気力といった情動的反応が起こるからである。 感情にはエクマンにより基本6感情が存在する。「ストレスの認知的評価モデル」(10章p152)によれば、欲求どうしのぶつかり合い(欲求葛藤)があり、欲求不満によって ストレッサーとなっている。欲求不満には嫌悪や怒りが該当する。そして、感情の持つ役割として気分一致効果と呼ばれるものがある。(8章p134)ポジティブな気分のときは ポジティブなものを見つけやすく、反対の場合も同じである。これをストレスに当てはめてみる。例えば、電車で突然車両が止まり、停電が起こったとする。 このとき、この時間が長引くほど、ネガティブなことを連想しやすくなる。このままどうなるのか、などの不安が募る。結果的に、この不安が一時的に大きなストレスを引き起こす ことになってしまう。このように、ストレスと感情は密接に関係していると述べる。 出典 ゼロからはじめる心理学入門、8章p134、10章p152
問題3への解答
・感情心理学(8章)と発達心理学(11章) 発達心理学と感情心理学は、心理学の異なる領域に属するが、両者は関連しているといえる。例えば、自尊感情は小学校から中学校で低下し、中学校から高校では微増することが分かっており、思春期に自尊感情が低下することは多くの研究で指摘されている。老年期まで含めた自尊感情の調査では、大学生の自尊感情を基準にした場合に中高生は自尊心が低い健康にあり、成人や高齢者は自尊感情が高い傾向にあることも分かった。このように、発達心理学と感情心理学の関連は、人間の発達段階が感情にどのような影響を与えるか、感情の発達が成長にどのように関連しているのかを理解するところにみられる。 参照文献 https://cir.nii.ac.jp/crid/1050574181207914496
問題2 h.セリエはカナダの生理学者であり20世紀に心理学の研究をした人である。彼は、ストレスという言葉を世に広めた立役者である。私達が目にするストレスというのは、対人関係や騒音、外傷などの様々な外的要因のストレッサーにより、共通する症状であるイライラ、不安、身体症状などが引き起こされた状態のことであると説明した人物である。またストレス反応説を提唱し、ストレス反応による全身適応症候群の時期を、警告期、抵抗期、疲憊期の3つの段階に分けた。このときストレス事態が長期に渡って持続すると疲憊期となる。そうすると高血圧や心臓疾患、胃潰瘍などの身体的リスクが増大する。ストレスによって身体的リスクが増大すると提唱したことで精神と身体が密接であることがわかり、心理学に影響を与えた。 出典 心理学用語の学習「33-ストレス(理論)」https://psychologist.x0.com/terms/133.html
L.ウィングは1980年代にアスペルガー症候群という名前を初めて導入した人である。まず、自閉スペクトラム症の歴史について触れる。はじめに、レオ・カナーが1943年に「早期幼児自閉症」を提唱し、そこから自閉症という名前が使われた。その後、1944年にハンス・アスペルガーが「自閉精神病質」を提唱したのが、アスペルガー症候群の最初であるとされる。その後、1981年にウィングがアスペルガー症候群を提唱した。ウィングは自閉症である娘を対象に考察を行い①対人関係②言葉③想像力の③つの問題こそが自閉症の本質であるとした。当時、自閉症の診断は、言葉によるコミュニケーションに限定されており対人に関心が乏しい子どもにのみつけられた。また、言葉によるコミュニケーションが可能であることや一方的でも対人に関心がある場合は自閉症とは考えられていなかったため、この提唱は、上記3つの問題の障害を持っていながら診断されない人を、アスペルガー症候群という診断が適切であるとした。現在では、DSM-5によって自閉症、PDD、PDS-nos、アスペルガーなどのややこしい区分を整理するために、一括して自閉スペクトラム症と呼ぶことになっている。 出典 心理学用語の学習「23-自閉スペクトラム症」https://psychologist.x0.com/terms/323.html 一般社団法人発達障害支援アドバイザー協会「ローナー・ウィングの三つ組」 https://www.ddsienn.jp/20220523/
問題3への解答 「学習」(2章)「ストレス」(10章) 学習はやったことのないことをできるようにする、いままでできなかったことをできるようにするといった学び、実践をすることである。その学習を行うにあたって、今までできたことができなくなる、途中で壁にぶつかって先に進めなくなったりする。そこで感じるのがストレスである。学習している最中に、壁にぶつかるのはよくあることで、他人からのプレッシャーや、自分に対して厳しい人間などは、ストレスを感じてしまう。学習とストレスというのは、学習にストレスが付随してくるという関連性にある。また、学習中に人の前で発表をしたりする場合にも、ストレスを感じる場合がある。嶋田・岡安・坂野によると、「授業中にいきなり指された時」、「たくさんの人の前で発表するとき」、など発表場面でストレスを感じる生徒がいる(嶋田・岡安・坂野、1992)。学習の中にも、様々な状況でストレスを感じる要因が存在している。学習をする際に、ストレスが自分にかからないようにするのは、難しいほどに、学習とストレスは一緒になっているのだと考えた。
参照文献
嶋田洋徳・岡安孝弘・坂野雄二、1992、「児童の心理的ストレスと学習意欲との関連」、『健康心理学研究』、5巻、(1)、pp.7-19、日本健康心理学会、(2024年1月28日閲覧)。
最終レポート 問題1.
1-1 手続的記憶について 実例として、ピアノで練習した曲が、2年後に練習時間を設けることなく弾くことができたということをあげ、手続的記憶について説明する。まず、手続的記憶とは、非宣言的記憶の一種で、行動の方法に関する記憶である。また、手続的記憶で一度記憶したことは忘れにくい。日本学術会議によると、手続的記憶で中心的な役割を果たしているのは大脳基底核と小脳であるという。前者は筋肉を動かしたり止めたりするために働き、後者は筋肉の動きを調整してスムーズに動くために働く。次に、上記の実例が手続的記憶であるということを説明する。この実例の場合は、指でピアノの鍵盤を押したり鍵盤を離したりするときや手を休めたりするときに大脳基底核が働き、押すべき音の鍵盤を押すときや弾くべき速度に合わせて指を動かしているときに小脳が働いていると考えられる。また、2年が経過しても同じ行動をとっていることがわかる。よって、上記の実例は手続的記憶である。
出典:日本学術会議 https://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku3/kioku3_2.html
1-2 ネガティビティ・バイアスについて 事例として、初めて会った上司が、仕事を効率的に行うことはできるが部下に対して高圧的な態度で接する人物だった場合、この上司は性悪な人物であると判断し、交流を避けるようにするということをあげ、ネガティビティ・バイアスについて説明する。まず、ネガティビティ・バイアスとは、印象形成場面において、ネガティブな刺激がポジティブな刺激よりも大きな影響力をもつというものである。また、そのような影響力の違いが出るのは、ネガティブな情報を重視、注目することで、最悪な結果を避けやすくなるからである。そのため、小澤らはネガティビティ・バイアスとは一種の心理安全装置であるとしている。次に、上記の事例がネガティビティ・バイアスであるということを説明する。この事例の場合、仕事を効率的に行うことができるということはポジティブな刺激となり、部下に対して高圧的な態度で接するということはネガティブな刺激となる。事例では後者を重視したために、性悪な人物であるという印象形成がなされたと考えられる。また、後者を重視し、積極的な交流を避けることで、上司からパワハラを受けて精神的負担を抱えるという結果を避けているということが考えられ、心理安全装置として働いたことがわかる。よって、上記の事例はネガティビティ・バイアスである。
出典:小澤拓大・下斗米淳(2012)「結果関連関与が意思決定におけるネガティビティ・バイアスの強度に及ぼす影響:将来自己と心理的安全装置の関連」『専修人間科学論集 心理学篇2』9-19.
問題2への解答 一人目 カーネマンについて カーネマンは、行動経済学の先駆者として切り開いた、意思決定のパラダイムは、経済学だけではなく、心理学においても、さまざまな革新をもたらした(安藤、2013)。 「しかし意外なことに,意思決定研究の分野においては,感情の果たす役割について顧みられることはほとんどなかった。それどころか,「感情に流されるな」「気分で判断するな」などと日常的に言われるように,感情は合理的な意思決定を妨げる要因として負の側面からとらえられることのほうが多かった」(安藤、2013)。カーネマンが切り開いた、意思決定のパラダイムが、それまで意思決定を妨げる要因が負の側面からとらえられることが多かった時代を変えた。葛藤も負の側面にのみ焦点を当てていたら、接近、接近葛藤などを生まれていなかっただろう。
二人目 ウィングについて 「自閉スペクトラム症は、ローナ・ウィングの「三つ組の障害」と呼ばれる「社交性・コミュニケーション・想像力」の3つの障害から成り立っていると言われます」(心理学用語の学習)。ウィングは現代でもかなりの割合で発生している自閉症を、自閉症かどうかを判断するための定義を作り上げた。
参照文献 安藤明人、2013、「行動経済学と感情」、『感情心理学研究』、20巻、(3)、pp.65-70、日本感情心理学会、(2024年1月28日閲覧)。 心理学用語の学習、「精神病理 用語一覧」、『心理学用語の学習』、(2024年1月28日閲覧)。 https://psychologist.x0.com/terms/323.html。
最終レポート [問題2への回答] ・クレッチマーについて クレッチマーとは類型論という体格を肥満型、闘士型、細身型に分けて肥満型には躁うつ病の気質が、闘士型にはてんかんの気質が、細身型には統合失調症や分裂気質が多いという特定の精神疾患と特定の体格との間に相関関係があると主張した理論をあげた。これが大衆には多く受け入れられ、心理学研究を促すことになった。 [出典]https://kotobank.jp/word/クレッチマー-57566
・ウィングについて ウィングとはWingの3つ組と呼ばれる他者との交流がスムーズに行かない社交性の障害、言語性及び非言語性のコミュニケーションに偏りがあるコミュニケーションの障害、見えないものを思い浮かべることができない想像力の障害こそが自閉症の本質だとしていてこの考えが現在でもDSMの自閉症の定義に用いられています。 [出典]https://psychologist.x0.com/terms/323.html
問題2への解答
・スキナー →スキナーは強化の随伴には一定の法則性があるとし、100パーセントの強化が反応を長期間持続させるかといえば必ずしもそうではなく、実際には部分強化のほうが消去抵抗が高まることをスキナー箱によるハトの条件付けで実証した。 スキナー箱のハトの条件付けとは空腹のハトをスキナー箱に入れ、スイッチ(反応キー)をつつくと餌出る仕掛けで、ハトは一度それをして学習すると頻繁にスイッチをつつくようになったという実験である。 参照文献 https://hirogaku-u.repo.nii.ac.jp/records/378
・エリクソン →エリクソンは「遊びは幼児の自我を統合しようとする努力を理解する王道である」として、遊戯療法を論じた。遊び(プレイ)が自然な自己治癒力の潜在能力を持っていると解釈した。エリクソンは子供の遊びが「遊びの中断」から「遊びの満足」、そして「遊びの勝利」に至るサイクルを明らかにし、治療者は遊びの促進者であると説いた。 参照文献 https://cri.nii.ac.jp/crid/1390572174490503424
問題1への解答 一つ目 運動視差について 例として、教科書にこう書かれている。「たとえば、歩きながら横目で近くの木を見てみると、当然ながら歩く方向とは反対の方向に過ぎ去っていくように見える。しかし、遠くの山はほとんど止まっているように見える」(市川・作田、2015)。私は、普段周りにある建物や看板などを見ながら歩いているのだが、近くにある建物や看板はすぐに通り過ぎるのに、遠くにある高層のマンションなどは、近くにある建物と比べると、長い間視界に入っているのだ。この事例は運動視差である。なぜなら、運動視差というのは、空間の中で、自分が移動すると、近ければ近いほど早く動き、遠くなれば遠くなるほど、動いていないかのように見えることを言っているからである。
二つ目 葛藤について 葛藤の種類の内、接近、接近葛藤についての事例を紹介する。ラーメン屋に行った際に、複数の味のラーメンから一つ選ばなければいけないという状況に陥った。どのラーメンも違った良さがあり、どれを食べても満足することができるのだが、複数のラーメンを食べる分の胃袋はあるはずもなく、最終的に味噌ラーメンを選択した。味は非常においしく、満足することはできたのだが、何を食べるか決めた状態で食べたラーメンよりも、満足度は低いと感じた。この事例は葛藤と呼ぶことができる。なぜなら、選択肢の中から、どれか一つだけしか選ぶことができない際に、どれかを選ぶことができない状態のことを葛藤と呼ぶからだ。
参照文献 市川寛子・作田由衣子、2015、「ゼロからはじめる心理学・入門 人の心を知る科学」、株式会社有斐閣、(2024年1月28日閲覧)。
最終レポート [問題1への回答] •手続的記憶について 手続的記憶とは長期記憶の一つで自転車や車の運転など繰り返し同じ動作をすることによって長期間脳に保存される記憶で、一度保存されるとなかなか忘れることがなくなる記憶です。 実例を挙げると例えば私は中学生の時テニス部に所属しておりました。そこで3年間テニスを練習し卒業した後はテニスを全くしませんでした。その3年後遊びでテニスをすることになったのですがいざプレイしてみると卒業した後の3年間全く練習してなかったはずが難なくテニスをすることができました。これは3年間同じ練習や動作をし続けたことにより脳に長期保存され3年経ったあとでも忘れていない記憶なので手続的記憶といえます。
[出典]https://bsd.neuroinf.jp/wiki/手続き記憶
・葛藤 葛藤とは近づきたいという接近欲求と逃げたいという回避欲求がぶつかり判断できなくなり行動できなるというものである。 実例を挙げると例えば2日後が締め切りの課題があり、他にも課題があるので先にやってしまわないといけないと思っていだのですが同時にめんどくさくてやりたくないという感情が芽生えてきてどうしようか迷ってるうちにボーッとしてしまい結局そのまま時間が経ってしまったということがありました。これは2つの欲求がぶつかって行動できなくなってしまったので葛藤が起こってると言えます。
●問題1への解答
・ソーシャルサポート →ソーシャルサポートとは個人が関係(社会的関係)のある他者とのやりとりされる有形・無形の様々な援助(支援)のことである。これまでの研究概観によると、ソーシャルサポートは抑鬱状態を緩和し、がんの進行を遅らせ、幼児虐待を抑制し、また仕事に対する満足感を高めるなどの効果がある。 ソーシャルサポートは健康に良い行動を続けやすくしたり、ストレッサーの影響を和らげる効果があります。例えば、ダイエット(運動)や喫煙などを継続していくうえで、家族、恋人など周りの人から様々なサポートを受けることでダイエット(運動)や喫煙が長続きしやすくなったり、ストレッサーがあっても周りの人からのサポート(話を聞いてくれて共感してくれるなど)を受けることでストレッサーをうまく対処(コーピング)することができるようになる。 また、ソーシャルサポートは4つに分けることができる。 1つ目は情緒的サポートである。情緒的サポートは問題を抱えている人に対し、共感的・受容的に接してサポートすることで、 例えば傾聴したり、慰めたり、相槌を打ったりなど、上司・先輩・同僚や、家族・友人など、多くの人から受けることができる。 2つ目は道具的サポートである。道具的サポートは形ある物やサービスの提供によってサポートすることで、例えば、買い物に付き合ったり、掃除を手伝うなど。 3つ目は情報的サポートである。情報的サポートは問題の解決に必要なアドバイスや情報の提供などをすることである。 4つ目は評価的サポートである。評価的サポートは当事者の行動が、良いか悪いか、社会的に好ましいか好ましくないかなど、適切な評価を与えることである。 このようにソーシャルサポートとは有形・無形のサポートなのである。 参照文献 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjesp1971/38/2/38_2_193/_pdf/-char/en https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-067.html
・学習障害 →学習障害(限局性学習症・LD)とは読み書きや計算などの算数機能に関する特異的な発達障害である。学習障害には読字の障害を伴うタイプ、書字表出の障害を伴うタイプ、算数の障害を伴うタイプの3つがある。例えば、読字障害は文章を読む際に単語をひと塊として認識できずに一文字一文字読んでしまう、「あ」と「お」などの形態の似た文字を認識できない、「っ」「ゃ」などの小さい文字を認識できない、不自然な飛ばし読みをしてしまう、などの特徴が見られる。これらの特徴により、文章を読むことに非常に時間がかかったり、過度に疲弊してしまったりする。 書字障害は、文章を書く際に誤字脱字が非常に多い、書き順の間違いが多い、文字の大きさがバラバラになったり形が不適切になったりする、などが挙げられる。学校では、黒板の字をノートに書き写すなどの作業に困難が生じる。 算数障害は、基本的な数字や記号の意味を理解しにくい、数の大小の理解が困難、計算の繰り上がりや繰り下げができない、図形やグラフの理解ができない、などが挙げられる。 学習障害には的確な診断・検査が必要で、ひとりひとりの認知の特性に応じた対応法が求められる。ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などが一緒の場合は、それらを考慮した配慮、学習支援も必要となったり、家庭・学校・医療関係者の連携なども欠かせない。 参照文献 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/mext_00808.html https.//www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-004.html
「最終レポート」 問題1 「操作的定義」 まず、心理学では、人間の感情や感覚には、大きさや重さなどを通常は測ることができない。そのことはI.カントによって指摘されていた。カントは、『自然の形而上学』(1789年)において心理学の対象となる存在が大きさ重さなどのない存在であるがゆえに自然科学の対象とはなりえないと議論した。(序章p5「カントの不可能テーゼ」)しかし、これを打破すべく生まれたのが、操作的定義である。操作的定義では、通常、「長くみえる」などの感覚は数値では図ることができない。しかし、ミュラー・リヤーの錯視で行った実験(序章p6図0.1)のように、無理やり「錯視量」や「心理量」などの名前をつけることで、測ることができなかった感覚や感情などを測るようにすることである。 出典 ゼロからはじめる心理学入門、序章p5,p6
「ステレオタイプ」 私達は、性別、人種、職種、年齢など、さまざまなカテゴリーで区分された集団やその集団のメンバーに対して、抽象化された知識を持っている。これをステレオタイプという。 例えば、アメリカ人と思い浮かべると背が高く鼻が高いと感じる。それをどのアメリカ人でも同じように当てはめてしまう。これがステレオタイプである。なぜ、このようなことが起きるのか、それは、人は似た者同士をまとめてカテゴリーに分類することで、効率よく情報を処理することができるからだ。このとき、分類する基準は主に2つある。1つ目は、職業や性別などのカテゴリーに基づく印象である。2つ目は個々の行動やエピソードから積み上げていく印象である。この2つの基準で行うため、ステレオタイプが起きるのである。 出典 十文字学園女子大学ステレオタイプstereotype https://www.jumonji-u.ac.jp/sscs/ikeda/cognitive_bias/cate_s/s_22.html
「最終レポート」 ●問題1 1.ネガティビティ・バイアス(8章) 人は、良い情報よりも悪い情報に気を取られやすい傾向がある。例えば、インターネットで、あるレストランの口コミを調べたときに、良い評価と悪い評価が書いてあった場合、悪い評価のほうが印象に残ることがある。これがネガティビティ・バイアスの事例である。なぜなら、満足のできないレストランに行くことで不快な思いをしてしまう危険から自分を守るために、ネガティビティ・バイアスが生じるからだ。ネガティビティ・バイアスとは、自分の身を守るために、自分の安全を脅かすような悪い情報に感情が左右されて、注意が向くことである。人は生き残るためにそのように進化していった。一方、良い情報は危険ではないため、悪い情報ほど注意が向かない。
2.ステレオタイプ(9章) 物事を型にはめると、情報による考えることへの負担を減らせる。血液型で人の性格を決めつけることは、ステレオタイプの事例である。たしかに、「〇型の人は、こういう性格だ」と型にはめたほうが、その人の性格について推測しやすくなる。それは、血液型で人の性格を推測することによって、個人の性格について正確に深く知ろうとする努力が必要なくなるからだ。しかし実際、血液型と性格の関係性には科学的根拠がない。ステレオタイプとは、情報過多による認知的な負担を軽減するために、先入観やイメージによって、似ているものを同じものとしてカテゴライズすること、あるいは個人を集団として捉えてしまうことだ。つまり、この事例は血液型というカテゴリーに基づいて、人への印象を形成したものである。
出典:金沢創・市川寛子・作田由衣子(2022)「ゼロからはじめる心理学・入門」『有斐閣』2022年12月20日.
最終レポートに「再投稿」はありません。よくよく推敲して投稿してください。
「最終レポート」はこの掲示板に投稿してください。取り組む上で不明な点があれば、この掲示板で質問してください。問い合わせは、課題の投稿開始までにお願いします。
「最終レポート」の課題をmoodleに提示しました。
最終レポートに進むことができる人は51人でした。そのうち、 100点以上 2人 90点台 4人 70点台 1人 60点台 3人 でした。これらの方は、最終レポートを出さなくても単位は出ます。より高い成績で単位取得したい場合は、最終レポートに取り組んでください。 なお100点を超えているお二人は、これ以上の成績は成績表につかないので、ここで終わりにしたいと思います。間違っても、最終レポートに取り組もうなどと思わないでくださいww
最終レポートについてはmoodleを注意していてください。
>> 1599G22067さんへ ADHDは大人になってからなるというより、大人になって発見されるということがあるようです。基本、先天的なものだと思います。子供自体はなんらかの環境によって、不可視化していたのでしょう。 基本的にG21097さんの解答と同じです。>> 1606 質問ありがとうございました。
2点差し上げます。
問題1への解答
運動視差についてです。
運動視差とは、教科書に書いてあるように物体が移動する際に生じる視覚的な現象です。物体が自分に対して近づくときは距離が近い。物体が自分に対して遅く動く場合は距離が遠いことを意味している。運動視差は、物体との距離感や移動に伴って異なる速さで視界が変化する性質を示します。
私が習っていた少年野球を実例として説明します。私は、左目が弱視であるため、ボールを追いかける際に右目を主に使用しています。右打者であったため、ボールが左側から投げられ、右側に飛んでいくと考えます。ピッチャーがボールを投げ、ボールがバッターに向かって近づく過程で、運動視差によって左目とボールの距離が近くなる。これにより、ボールがどんどん近づいているという視覚的な情報が得られる。しかし、左目は弱視のため視差情報が不正確である。また、バッターがボールを打つと、ボールは遠ざかります。この際、運動視差によって、ボールが遠ざかっていくことが視覚的に感知される。しかし、弱視の左目ではボールの位置が正確に捉えにくく、ボールがぼけて見えていました。
この実例では、弱視の左目による不正確な運動視差が、ボールの位置を正確に判断する上での課題となる。バッターは正確な視覚情報を取得することが難しく、それによってボールをバッドで捉える制度が低下する。このような状況から、弱視の左目における運動視差の影響がわかる。
水平伝播についてです。
生物の遺伝情報において、遺伝子の情報が親から子へと受け継がれることを垂直伝播という。一方で、全く異なる個体間で遺伝子が水平に転移する現象が知られている。これを水平伝播と言います。
水平伝播の事例を野球、大谷翔平選手で考える。
大谷翔平選手は投手としてもバッターとしても活躍されている。大谷選手の打撃が凄いことから、相手チームは大谷シフトと呼ばれる特殊な守備配置を採用することがある。大谷選手が左打者であることを考慮し、通常の守備位置ではなく、大谷選手が最もヒットを打ちやすい方向に守備陣を配置する。これにより、通常ではレフトやセンターで守っている選手は、大谷シフトの時にはライト方向に移動するなどの変則的な配置が行われる。大谷シフトは、対戦相手の野球チーム全体に影響を与える水平伝播の一例だと考える。対戦相手の監督やコーチが大谷選手の打撃傾向を分析し、その情報を選手や野手に伝えるため情報が広まります。これにより、通常の守備位置とは異なる配置が採用され、大谷選手に対する効果的な守備ができる。個々の選手だけでなく、チーム全体が同じ情報を共有し、それに基づいた戦略を考える。この実例を通じて、大谷シフトは情報の水平伝播によって成り立っていると考えます。野球においてもデータ分析や戦術の共有がチーム全体に波及することが示唆されます。例を通じて、水平伝播は情報や戦術の共有が個人や特定の階層に留まらず、全体に影響を与えると考えます。
広島大学、「発表内容」、『寄生虫が仲介する遺伝子水平伝播のパンデミック』
(2024/01/27閲覧)
https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/70427
最終レポート課題2
バンデューラについて
バンデューラは1974年にアメリカ心理学会会長を務めたほど心理学に深くかかわっている人です。バンデューラは観察学習(モデリング)と呼ばれるものを用いて子供の心理について説いた。例として「ポポ人形実験」を挙げるバンデューラはお手本役の大人と、等身大に近いサイズのボボ人形を用意します。そして大人が、ボボ人形を攻撃的に扱い、その様子を子どもに見せる。子どもだけを別室に連れて行くと、子どもは叫んだりボボ人形を殴ったりします。つまりモデルの攻撃的な行動を、子どもは観察して学習することが発見できた。
よって教科書にある通り、「教える-学ぶ」というコミュニケーションの関係が世代間に伝播、蓄積され、人が繫栄する基礎になっている。
https://yasabito.com/1451
セリエについて
セリエは世界で初めてストレスについて定義した生理学者で、カナダ人である。彼はストレスとストレッサーを初めて定義し、適応症候群の理論を中心としたストレス学説を提唱しました。適応症候群とは生体がストレスを受けたときに、それに適応しようとして生じる一連の防衛反応のことです。
つまり防衛反応が生じるとともに、不快な緊張状態だと考えられがちであり、長期にわたって継続すると身体に病気のリスクをもたらす可能性があるが生命維持に必要な生理的反応と言える。
https://www.sankyobo.co.jp/dicsto.html#:~:text=最初にストレスを定義,防衛反応のことです。
問題1
運動視差について解説したいと思います。
まず、運動視差は観察者の視点または観察対象が移動することによって生じる視差のことである。教科書には両眼視差が右目と左目に入ってくる画像の空間的な違いによって奥行きを知覚しているとすると時間的に配置したとき運動視差という手掛かりになると記載されている。
例を挙げると高速道路で車の外の景色を見ると奥に見える山は遅く動いて見えて、近くにあるガードレールを見ると早く動いて見える。他にも自分が走っているとき前を見ると遅く近くなっているように見え、下の土を見ると早く動いて見えることも同じことだと考えられる。
行動変容についての解説
まず行動変容とは、人の行動が変わることを指します。簡単には、健康保持・促進のために行動や生活習慣、ライフスタイルを望ましいものに改善することを説明する際に用いられることが多いそうです。例として今まで習ってなかった柔道を新たに始めることを行動変容と言います。
最終レポート問2
「スキナー」を紹介します。
1983年、アメリカの心理学者で行動分析学の創始者であるバラス・スキナーがオペラントチェンバー、あるいはスキナーボックスと呼ばれている装置でネズミとハトの行動を研究した。
実験の結論として、明らかになった法則性があった。その法則性とは、強化、弁別、消去、罰などである。これらの実験から、スキナー言語行動を「他者を介してオペラント」として「オペラント条件付け」をスキナーは提唱した。
スキナーの貢献に国境は存在せず、行動主義と行動主義心理学は、いくつもの変遷を経ながら一貫して、アメリカを中心に常に人びとの関心事でした。行動主義の影響は、英国、アイルランド、ブラジル、メキシコで特に顕著に見られる。また、行動分析学とは、新行動主義心理学をさらに改革し、新たに起こした徹底的行動主義に基づく心理学の一体系のことである。
参考文献
ウィリアム・T・オドノヒュー/カイル・E・ファーガソン/佐久間 徹 監訳[スキナーの心理学],(有)二瓶社[大阪市]2005/12/1[1〜103]
問2
「エクマン」を紹介します。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の心理学教授ポール・エクマンは、一九五八年、アデルフィ大学で心理学の博士号を取得した後、二年間、ニュージャージーのUSアーミーで主席心理学者として仕えた。その後、研究室に入り、六十年代半ばに、顔の表情と感情の研究をはじめた。菅(2006)
エクマンはある実験を初め、喜びや楽しみを感じる幸福、怒り、悲しみ、嫌悪、驚き、恐怖の6つの感情について「顔面表出」が文化によらず普遍的であり、その顔の動きを記述する単位として、アクション・ユニットを定義した。
ある実験とは、ニューギニア訪れ、それぞれの感情を表している写真を見せ、「今、起こっていること、この人物がこんな顔をする前に起こったこと、これから起ころうとしていることを教えてほしい」といい答えてもらうというものだった。そして、彼は基本的な感情のリストを作った。
参考文献
ポール・エクマン/菅 靖彦 訳[顔は口ほどに嘘をつく],株式会社河出書房新社[東京都渋谷]2006/6/30
最終レポート課題1
私は、「行動変容」について説明します。
「行動変容」とは「出来なかったことを出来るようにする」や、「やめたいことをやめる」といった学習です。
また、行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、以下の【図】のように「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えます。https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-07-001.html
「行動変容」の事例として、「タバコをやめたい」を挙げます。「無関心期」→特にタバコを辞めると思っていない「関心期」→肺がんのリスクや、家族、友人への被害を考えてタバコを辞めようと思う「準備期」→自分の周りの人や紙などに自分は今から行動に移すと宣言する「実行期」→1日のタバコの本数を減らす、1日ごと、1週間ごとに減らす。その場で今手持ちのタバコを全て捨てるなど行動に少しずつ動かす。「維持期」→ストレスをランニングや、ウェイトトレーニングに置き換える。禁煙行動を続ける上で周りからのサポートを活用する。活動を続けていることに対して「ほうび」を与え、最終的にタバコから離れさせるという事例です。
この事例は、タバコを辞めるための行動、5つのステージを通り、「やめたいことをやめる」という「行動変容」の事例として該当します。
課題1
私は「手続的記憶」について説明します。
「手続的記憶」とは道具の使い方や玩具の遊び方、車の運転の仕方など、「徐々に体で覚えた記憶」のことを言います。
実例として、私は焼肉屋のキッチンでアルバイトをしていました。入社当初は提供する料理の作り方を1から10まで何もわかりませんでした。しかし、料理を最初はレシピを見ながら練習で作っていたのですが、日にちが経つとともに、次々とレシピを見なくても料理を作れるようになりました。これは、最初はレシピという工程を見ながら順番通り作っていたのが、何回も作る毎に徐々に体で作り方を覚えたという「手続的記憶」の実例として該当します。
課題2
・7章「エリクソン」について
エリクソンは、生活環(ライフサイクル)という概念を用いて、人の発達が一生続くという生涯発達(ライフタスク)を唱えた人物である。この生涯発達には、幼児前期(2~4歳)、初期青年期(20~39歳)のように年齢ごとに区切りを打って、どのような発達があるのかということを明らかにした。このことから、エリクソンは、個人の発達に関してのアイデンティティという概念を発達段階に表し、年齢ごとの発達に関しての段階を発見し、個人の精神や発達に関して各々の年齢での発達と行動に関しての発展に貢献した。
https://coeteco.jp/articles/10725
・12章「エリス」について
エリスは、1950年代に認知行動に関する倫理療法を開発し、教科書でも書かれているように「不合理な信念」があると唱えた。これは、表面化している問題を解決するのではなく、行動に対してその背景にある本人の受け止め方や誤った行動などを個人に着目し、ここで気づきを修正し、治療するということである。ここからわかることは、エリスは、認知行動に対して、行動療法を唱え、心理学を専門とするカウンセラーや認知に対する治療法を世に広め、貢献した。
参照資料
https://moodle.sgu.ac.jp/course/view.php?id=10663
問題1
・8章「ネガティビティ・バイアス」について
これは、人間は特に、ネガティブな対象が認知などの機能に大きく影響を与えていることが多く、これが対人に対しても上記のことが影響されており、よくない情報を鵜呑みにしてしまい、良い情報と良くない情報とでは、良くない情報の方が印象に残ってしまうことである。例えば、相手に自分のことが好きか嫌いかという質問をしたとき、嫌いといわれたときに、嫌いという良くない情報が印象に残ってしまい、このネガティブな対象が対人に対して作用される。
参照資料
8章 感情はどのような役割を果たしているのか-感情心理学-
・12章「質問紙法」について
質問紙法とは、あらかじめ決められた手続きを用いて、いろいろな人がこの方法を行っても同じ結果がでやすいというものである。ただ、あらかじめ決められた手続きを行なったとしても偽りの回答がでやすいというデメリットもある。これは、質問をされる場面やされている質問の重要度、質問をされる側の問題行動(例えば、友人が窓ガラスを割った犯人を探すために質問紙法を行なったなど)によって、質問をされる側の友人を守るなどといった心理的な要素が働きおこる。
参照資料
12章 心の問題へのアプローチ-アセスメント-講義資料
最終レポート
[問題1]「手続的記憶」(6章)手続的記憶はそもそも記憶というものを2種に分けたときに長期記憶、短期記憶の2つに分けられる。その長期記憶の1つの内容である。この手続的記憶はルールや体で覚えたことの記憶である。特徴として一度覚えれば基本忘れることはない。例えば泳ぐという行為も過去に行い何年もやっていなくても体力などの衰えなどはあるが泳ぐことが可能である。
「敏感期」(7章)敏感期は小さい子が発達するうえで必要なものである。行動を始めようとしたときに特定の時期で学んだ人とその特定の時期を過ぎてから学ぼうとした人がいる。後者は前者よりも時期が過ぎているためより多くの努力をしなければならなくなる。この時期を「臨界期」別名「敏感期」という言い方で表している。例えばその時期に絵を描くという行為をしなければ大きくなって絵を学ぼうとしても難しい。
最終レポート 問題3
「学習」(第2章)「模倣」(第3章)
学習と模倣、この2つは類似している部分がある。
まず、学習とは教科書P34では「できなかったことができるようなる」と述べている。
例えば、分からない計算問題が勉強することで、解けるようになったといった不可能が可能になる瞬間のことをいう。
また、模倣の意味は簡単に言うと真似をするということだ。
他者の真似をし、物事を覚えていくスタイルで、例を挙げると、サッカー選手の動きを考察し、その選手のドリブルの真似をし、習得するといったことだ。
学習と模倣の類似している点はどちらも目標を掲げており、その目標に向かって努力することで、知識、またはスキルを得ることができる。
以上が類似している点だ。
しかし、学習と模倣には矛盾している点も存在する。
学習は自主学習といった個人で勉強し、知識を得ることができるのに対し、模倣は目標にする他人がいないと成り立たない。
最終レポート 問題2
「バンデューラ」(3章)
本名 アルバート・バンデューラ
バンデューラはカナダ出身のアメリカの心理学者で、心理学史上に観察学習という概念を提唱した人物である。
観察学習とは「他者が学んだ知識を、観察することで学ぶ学習」という意味である。(教科書P59)
例を挙げると
幼い頃は正しい箸の使い方を知らない。しかし、子は親を見て育つように、親の箸の持ち方を見て覚える。いわゆる模倣であり、個人の経験だけではなく、他人の経験を学び、それを活かすということだ。
バンデューラは観察学習に関する実験として、ボボ人形実験というものを実施した。
ボボ人形実験とは
「バンデューラが行った幼児の観察学習実験のこと。お手本役の大人がボボ人形を攻撃的に扱い、その様子を幼児に見せると、幼児は攻撃的な行動をとる可能性がある」(やさびと心理学、2023)と記載されている。
また、教科書では次のような実験内容が記載されている。
「子どもたちに2種類のビデオを見せた。1つは大人が人形を攻撃しているものであり、もう1つは遊んでいるものである」(教科書P59)。
結果的には子どもは人形を攻撃するようになったとされている。
その理由は「人形に対する行動は、自らの体験ではなく他者の行動観察することで獲得された」(教科書P59)と記載されており、これはバンデューラ自信が論じたこととされている。
この実験結果から「学習が個体レベルで生じる」(教科書P59)とされていた固定概念をバンデューラは観察学習というものを広め、当時の学習心理学の考え方を改めさせるきっかけになった人物である。
参照文献
やさびと(2023) 「ボボ人形実験とは?バンデューラが行った実験内容・結果を簡単に解説」
https://yasabito.com/1229
「ウィリアムズ」(第11章)
本名はドナ•ウィリアムズという名であり、この人は「自閉症だったわたしへ」という本を出版した人として知られている。
ここからはドナと呼んでいく。
また、ドナは自閉症であり、この本は世界初の自閉症者が書いた本であるとされている。
自閉症の症状は複数存在しているが、主に有名なのは対人関係が苦手だというところである。
「ドナは1963年、オーストラリアで決して裕福とはいえぬ両親から生まれた」(障害保健福祉研究情報システム、2004)。
参照した文献では次のように述べられている。「生まれて初めて夢を見た。あたりは一面真っ白の世界。何ひとつなく、どこまでも果てしなく白い世界。そこをわたしが歩いている。そしてわたしのまわりにだけは、明るいパステルカラーの丸がそこら中にいくつも浮かんで、色とりどりにきらめいている。そのきらめきの中を、わたしは通ってゆく。きらめきもわたしの中を通ってゆく。うれしくて、声を上げて笑いたくなる」(障害保健福祉研究情報システム、2004)。
この文には自閉症の本質がよく表れているといわれている。
「ドナはこの夢を昼でも気にせずに見ようとしていたらしいが、親は不審がり、質問した。しかし、返答はその質問のオウム返しであり、自閉症を理解していなかったドナの母は、3歳半まで平手打ちをしていた」とされている。(障害保健福祉研究情報システム、2004)
自閉症はこのように身体的見た目に出ないため、すぐには分からず、意味不明な発言をし、他人を不快にさせたり、困らせてしまうケースが多く存在する。
また、自閉症の人は自己中心的な部分もある。しかし、教科書P177で記載している通り「決して他者を無視して孤立しているわけではない」とされている。この「自閉症だったわたしへ」という本を読むことで自分のような自閉症で悩んでいる人のことを理解してもらうために、出版し、自閉症で困っている人たちを救おうとした。
以上のことから、ドナ・ウィリアムズは心理学史上、自身の経験を通じて本を出版し、自閉症の理解と支援に取り組み、貢献してきた。
参照文献
障害保健福祉研究情報システム(2004)
「ドナ・ウィリアムズ著、河野万里子訳『自閉症だったわたしへ』」
https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n271/n271017.html
最終レポート 問題1
「ネガティビティ・バイアス」(8章)
ネガティビティ・バイアスとは教科書P136では「よい情報とよくない情報が提示されたときには、よくない情報のほうに重みのかかった印象を形成する傾向がある」と述べている。簡潔にいうと、人間という生き物はポジティブな情報よりもネガティブな情報が印象に残りやすく、その人の悪い面ばかり見てしまうということだ。これは私が体験した実例である。私と同年代のAさん(当時、高校2年生)はテニス部に所属していた。Aさんは3年生の先輩や私たち2年生の人には気さくに接しているが、1年生の後輩に対してとても厳しい人であった。主に後輩に球拾いをさせて、自分は休憩といったところだ。もちろん先輩方にはAさんは可愛がられていたし、ムードメーカー的存在で明るく振舞っていて人気者だった。しかし、周りから見たら後輩には厳しく接し、先輩には笑顔で対応しているところをみると、媚びを売っているように見え、悪い所が目立っていた。このように一度、他人に悪い印象を与えてしまうと、その印象が定着してしまい、いい所もあるが、悪い所ばかり気になってしまう。これがネガティビティ・バイアスである。
「葛藤」(10章)
教科書P157の説明では、「接近欲求(好ましい状態やものに近づきたい)、回避欲求(好ましくない状態から逃れたい)といったこれらの欲求が複数生じ、さらにそれが拮抗するとき、欲求を達成するための行動がとれなくなってしまうことを葛藤という」と述べている。葛藤は簡潔にいうと、2つの選択肢があり、その2つとも同程度の価値、魅力といったものがある。そのため、どちらかを選択しなければいけない状況ということである。葛藤にはいくつか種類が存在する。
①接近ー接近葛藤②回避ー回避葛藤③接近ー回避葛藤
④二重接近ー回避葛藤、以上の4種類だ。
それぞれ4種類について私自身の実例を入れて説明していく。初めに①の接近ー接近葛藤について説明する。教科書P158ページでは「あちらもよし、こちらもよしといった、同じくらい魅力的なものが2つあるのに片方しか選択できない状況」と述べている。
これはどちらも捨て難い状況を指している。例、食後にバニラアイスを食べるか、それともチョコアイスを食べるか。これは食後であるため、満腹感もあり、2種類のアイスを食べることができない状態である。そのため、どちらか1つを選び、もう1つを諦めなければいけない。
次に②の回避ー回避葛藤について説明していく。
教科書P158では「あちらもいやだ、こちらもいやだ」といった、同じくらい嫌ということである。例、お風呂に入るのはめんどくさいから嫌だ。しかし、お風呂に入らないと体が臭くなるのも嫌だ。その他にも
野菜は美味しくないから食べるのが嫌だ。でも野菜を食べないと不健康になってしまうのも嫌だ。
など。この2つの例は、逃れたいのにそう簡単に逃れられないという状況である。
③の接近ー回避葛藤について説明していく。
教科書P158~159では「目標の中に魅力的な面といやな面が含まれている場合、その目標に接近すべきか回避すべきか判断できず、行動不能になる」と述べている。簡単に言うとメリット、デメリットがあり、選択できない状態ということだ。例、今、私はダイエットをしている。しかし、ラーメンがどうしても食べたくなってしまった。でも食べてしまうと太ってしまい、ダイエットの意味がなくなってしまう。これはラーメンが食べたい(接近)と食べたら太る(回避)という気持ちが混在していることを表している。最後に④の二重接近ー回避葛藤について説明する。教科書P159では「2つの目標のそれぞれに魅力的な面といやな面が含まれており、どちらか1つを選びがたい状態である」と述べている。例、ユニクロの服は少し値段は高いが品質がとてもよく長持ちする。一方、GUは値段がユニクロに比べて安いが、品質は少し劣る。この例はまず、ユニクロの魅力的な面として、「品質がよく、長持ちする」という点と逆に嫌なところは「少し値段が高い」という点だ。次にGUの魅力的な面は「値段が安い」点であり、嫌なところは「ユニクロに比べ、品質が劣る」という点だ。これは良い所と悪い所の両方を持っており、葛藤が二重接近ー回避葛藤に当てはまる。
問題2
「バンデューラ」(3章)について紹介します。
バンデューラは、観察学習を提唱した人物である。観察学習の実例は、子供たちに2種類のビデオを見せて、1つのビデオは大人が人形を工芸してるものであり、もう1つは遊んでいるものである。その結果、最初のビデオを見た子供たちは、人形を攻撃するようになった。つまり、人形に対する行動は、他者の行動を観察することで獲得された、と彼は論じた。これは学習が個人だけで生じるとした当時の学習心理学の答えに一石を投じた。
観察学習の成立基準に関して、これまで幾つかの論戦があった。学習は連合の変化とか、遂行の組織的変化としてとらえられるだろう。連合の変化する場合、ある刺激に対してある特定のやり方で反応するようになることが学習となる。2つの事象が同時に生起するという相関的経験の結果、現在ある行動形態が以前には全く反応しなかった刺激や実質的に違ったやり方で反応していた刺激の制御下に置かれるようになる。例えば、人々は赤信号で停止したり、苦痛な経験をした場所や事物を避けたり、特定の状況下で報酬を受けたり勇気づけられた活動を遂行するようになる。また、ある音や光景に対して情動的に反応するようになる。ここでは学習は行動自体の特徴の変化としてよりも、刺激制御の変化として定義される。
参考文献:新装版「モデリングの心理学」アルバート・バンデューラ編原野宏太朗・福島脩美共訳(2020)33P
したがって、バンデューラは観察学習を提唱して当時の学習心理学に貢献した。
「オルポート」(5章)について説明します。
特性論の代表的なものの中でも最も歴史のあるオルポートの理論では、まず多くの人が共通してもち、違う人どうしで比べることのできる特徴である共通特性と、さらに個人特有で人と比べられないような特徴である個人特性とに分けた。共通特性として、人の特性を表す言葉を辞書から1万7953語も選び出し、同じ意味をもつ言葉どうしを整理、分類した。その結果、外交的と内向的、支配的と服従的、など14の共通特性を挙げることができた。
オルポートの重視する個別特性は、共通特性と対比させると理解しやすい。このため、彼の特性論をみるのに諸性格のうち、多くの人々に共通にある性格特徴を共通にある性格特徴を共通特徴を共通特性、その人に特徴的にある性格特徴を個別特性とし、前者からみていこう。多くの人たちから共通にある性格特徴をとり出す共通特性論では、人間の理解には何か「比較できて測れるもの」がなければ科学として意味がないとする。先鋭的な共通特性論者は、誰もが共通を持ち、人間理解にとって基本的に重要な性格の側面を考え、これに、社交性とか支配性とか命名する。この社交性とか支配性のようなまとまりを、次元とか因子とか共通特性とかよぶ。一般にいうテストは、この考えに立って、作られているのがわかる。つまり、共通にあり、程度の違いがあるから
それを測る物指で個人がどの位その特徴を強くもっているかが測定できる。
参考文献:有斐閣新書「パーソナリティの心理学」星野命・青木孝悦・宮本美沙子・青木邦子・野村昭著(1982)22P
したがって、オルポートは個人特性や共通特性について研究してたことで心理学に貢献していたことが分かる。
最終レポート
問題1
運動視差についての説明をします。
運動視差とは、運動視差とは奥行き知覚の手がかりとなる視覚的運動情報の一種である。
出典https://www.l.u-tokyo.ac.jp/postgraduate/database/1998/135.html
教科書29ページの図1.5では、前進して歩いている人が外景を眺めるときに山や雲の外景はほとんど静止していて、近景の木は速く動いているように見えることを説明している。
運動視差について私が説明する事例は、走っている乗り物に乗っている時に、遠景の海や山などはほとんど静止していて近景の住宅街などは速く動いているように見えている。したがって、教科書の内容と私が説明した事例は該当するといえる。
手続的記憶についての説明をします。
手続的記憶とは、やり方やルールの記憶、体で憶えた記憶です。
出典http://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/45-1/index-45-1.html
教科書105ページで手続的記憶は道具の使い方や車や自転車の運転方法を体で憶えている記憶と説明している。
私が説明する実例は、アルバイトでの仕事で料理の作り方を体で憶えていることです。したがって、教科書の内容と私が説明した実例は該当するといえる。
最終レポート
問題2
2-1 ピアジェについて
ピアジェとは、方法論とともに1960~70年代に広く受け入れられた発達段階理論を唱え、子どもに関する理解を深めるという点で主に発達心理学分野に貢献をしたスイスの心理学者である。彼はこどもの詳細な観察に基づき、人間の知能能力は、感覚―運動器、前操作期、具体的操作期、形式的操作期という4段階を順に経て発達していくと仮定した。発達段階理論では、こどものさまざまな心的機能を対象とし、発達を質的な変化として捉え、さらにその進行過程を体系化した。認知能力の発達がみな同じ順序で進むことや前の発達段階が次の発達段階の基盤となることを示した点が大きな功績であると考えられており、その業績から、彼は発達心理学の父と呼ばれている。また、こどもの位置づけにおいて、経験主義者による「無力なこども」というこれまでの捉え方を改め、「能動的に環境に働きかけ、外界を知り考えようとする存在」とした。
こどもを無力な存在としてではなく、能動的な存在として捉え、自身のこどもの観察をはじめとする研究を行うことで、子どもに関するより確かな理解に貢献したと考えられる。また、発達段階理論の方法の1つである「話すことが可能なこどもを対象に実験的な状況下において質問をする」というものは臨床面接法と呼ばれていることから、心理学研究法にも貢献したと考えられる。
出典:相馬花恵・板口典弘編 「ステップアップ心理学シリーズ 発達心理学 こころの展開とその支援」 2013 講談社.
2-2 エリクソンについて
エリクソンとは、心理学の分野で成人期以降の発達段階を提唱し、生涯発達の観点をもたらしたことで発達心理学の分野に貢献したスウェーデンの心理学者である。彼はライフサイクル、すなわち心理社会的発達論という独自の発達論を作り上げた。この発達論では「人間は生まれてから死ぬまで、生涯に渡って発達する」という考えのもとに、人間の一生を八つの段階に分け、それぞれの発達段階で獲得すべき発達課題を設定した。彼は、「否定的な部分を抱えながらもそれを克服し、肯定的な部分を見つける」という意味で各段階に肯定的側面対否定的側面を対として設定した。
また、彼は両親の離婚や自身の放浪などにより何度も名乗りが変わっており、最終的に名乗るようにしたのがエリクソンである。エリクソンとはエリクの息子という意味であるが、過去のさまざまな経験から自分は誰なのか、自分の親は誰なのか、他にも国や宗教について何なのかと問い続けた。このことは、彼の中でアイデンティの概念を発展させ、後に彼が提唱したライフサイクルの中の青年期の発達課題であるアイデンティの形成へとつながったと考えられる。
発達課題は人間の各発達段階における発達の目安とも捉えることができるため、とても重要なものであると考えられる。以上のことから、エリクソンは人間の発達をより明確に示すことで、発達心理学に貢献をしたと考えられる。
出典:増田梨花編 「絵本とともに学ぶ 発達と教育の心理学」 2018 晃洋書房.
問題3への回答
「個人差」5章と「発達」7章
個人差とは、人、男女、民族による人間の精神特性や過程の差異について、その特徴や構造を明らかにしようとすることである。発達とは、受胎から死に至るまでの心身の形態や機能の成長・変化、生涯にわたる時間的流れを背景としている。人が生まれ、発達をしていく中で、それぞれの人としての違いつまり個人差という概念が生まれたのではないかと考える。早生まれと遅生まれいう言葉がある。早生まれの子どもより遅生まれの子どもの方が学力成績が良かったり、体格差があり体育などの学校の授業で差がでたりする。これは、同じ学年でも、発達の違いの個人差があるといえる。したがって、個人差と発達は相関関係があると考える。
出典:フィリップ・J・コー編,中村菜々子・古谷嘉一郎監修、『パーソナリティと個人差の心理学・再入門』新曜社,2021.
●問題3
自己認知(3章)と自己観(9章)の自分の存在や能力を認識するというところが類似している。
自己認知とは、周りから見て、自分がどのような状態にあるのかがわかることである。自己はまず、幼児期に身体とそれ以外の視覚的環境との区別からはじまり、身体を中心に体制化される。その後、他者から見た自分を推測し、周りに合わせた適切な行動をするように自分で調整できるようになる。
自己観とは、自分はどういう人間なのかという問いに対する自分なりの答えである。自己観には、相互独立的な自己観と相互協調的な自己観がある。前者は自己を他者から分離した独自の実体と捉えるもので、後者は他者と互いに結び付いた人間関係の一部として自己を捉える考えである。この2つの自己観の認知、感情、動機づけなどの心理過程は大きく異なる。また、自己観は社会的表象であり、必ずしも個人的・認知的表象ではない。社会的表象は何らかの形で認知的表象に反映され、個人の自己スキーマや様々な自己概念などの自己認識に影響する。
したがって、自己認知と自己観はともに、自分が何であるのかを認識することである。さらに自己観を2つに分けて、自己認知との類似している点を探すと、相互独立的な自己観は、自分の身体とそれ以外を分ける幼児期から始まる自己認知である、自分と他のものは独立した存在だと認識する点が似ている。しかし、相互独立的な自己観の自分と他者との分離には、自分の身体が他のものと区別されることのほかに、自分の内面も区別されているという意味が含まれている。また、自己認知は他者から見た自分を推測した結果で自分を認識することだが、相互独立的な自己観は個人としての自分を認識することである点が対になっている。一方、相互協調的な自己観と自己認知は、他者との関係から影響されるものである点が類似している。そのため、周りの人や状況によって自分をどう捉えるのかが変化する。
出典:https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/282527/1/eda27_182.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep1953/47/4/47_480/_pdf
問題2への回答
「ピアジェ」
ピアジェの発達段階論は、発達理論として非常に有名である。ピアジェによって提唱された「認知発達理論」は、人の知能・心理の発達を「生物的な成長」と「成長過程の中で知識・経験を重ねたことによる成長」の両面から考察した。この認知発達理論では、認知力の成長を4つの段階に分けて考える。これが、発達段階論である。発達段階論において、0~12歳の子どもの認知力(知覚・記憶力・推理力・言語能力など)の成長順序は、個人差はあるものの普遍的なものだとした。ピアジェは人が生まれてから色々なものを認知し、学んでいく過程を「シェマ」「同化」「調整」の3段階に分けた。自分の周りで起きる出来事を認識する枠組みを「シェマ」、持っているシェマをほかの物に当てはめようとする行為を「同化」、持ち合わせているシェマと矛盾が生じて同化できなかった際に、シェマを変化させることを「調節」という。このように、ピアジェは子どもの施行の発達過程を系統立てて明らかにし、発達心理学に大きく貢献した。
出典:佐藤隆夫・下山晴彦・本郷一夫監修,林創編『発達心理学』ミネルヴァ書房,2019,
「ロフタス」
ロフタスは抑圧された記憶の概念に対する批判やのちに与えられた情報などによって変容する偽りの記憶「虚偽記憶」の研究をしている。虚偽記憶は、主にエピソード記憶における思い違いを指している。この虚偽記憶は、実際には起こっていない出来事についての記憶であるにもかかわらず、時として非常に強い確信度を伴うことが知られている。つまり、虚偽記憶はだれしもが、それを虚偽の記憶だとは思わずに、持っている可能性がある。記憶の変化のしやすさこそが虚偽記憶を形成してしまう原因である。長らく心理学では、記憶は脳の中の貯蔵庫のようなところに入っていて、長く入れておくとなくなってしまうこともあるが、基本は変化しないもの(貯蔵庫モデル)と考えられてきた。しかし、ロフタスは様々な実験を通して、記憶の変化は事後的に提示された情報によって起こると、証明した。以上のことから、ロフタスは心理学に大きく貢献した。
出典:菊野春雄,『嘘をつく記憶』講談社,2000.
問題1
⒈水平伝播について
水平伝播を説明するにあたって、まず理解しなければならない言葉が「ミーム」である。ミームとは社会学習によって伝達される情報の単位のことで、進化生物学者のドーキンズが名付けた。しかし情報という言葉は境界線が曖昧なため、情報をもたらす行動、技術、規則などもミームと同一視される。水平伝播とは、このミームが同時代の集団に対して伝達されることだ。子どもが遊具の遊び方を理解することは、水平伝播の事例として挙げられる。公園には、ターザンロープや鉄棒など、初見では使い方の分からないような遊具が様々ある。初めて公園に訪れた子どもたちはそれらの使い方をどのようにして理解しているのだろうか。まず親と一緒に公園に来ていた場合は、親から言葉で教えてもらったり、実際に使うところを見せてもらうことで使い方を理解する。1人で来ていた場合は、他の子どもたちが遊んでいる様子をモデリングし、真似することで使い方を理解する。このように、同時代に生きる人々との間で、言葉やモデリングによって遊具の使い方が伝達されていくのは、水平伝播の事例といえる。そして水平伝播の特筆すべき点は、情報伝達の圧倒的速さである。一般的に人間を含めた動物は、遺伝子の情報が親から子へと垂直に伝播し、ゆっくりと進化していく。だがミームは生殖に関係なく、同時代の個体間で急速に伝達されていく。人間は、ミームによる文化的進化によって絶大なスピードで発展してきた。つまりこのミーム伝達の要となる水平伝播こそが、文化的進化の核といえる。
参考文献
青木健一(2002).「人類文化の伝播の定量的な扱い」『地学雑誌』111巻,pp849-855
2.ネガティビティ・バイアスについて
ネガティビティバイアスとは、人はポジティブな情報よりもネガティブな情報に引っ張られてしまうことをいう。ジル・クライン(1991)によると、人は投票行動において最終決定をする際、候補者の長所よりも短所を重要視するという。これは、投票者がポジティブ感情よりもネガティブ感情に引っ張られるネガティビティバイアスの事例といえる。人間がネガティビティバイアス傾向になる理由として、顔面表情の認識や感情表出において、右脳の優位性があること挙げられる。人間の脳は感情体験において、右脳と左脳で別の役割がある。左脳がポジティブ感情、右脳がネガティブ感情の感情体験に寄与している。つまり、ネガティブ感情を司る右脳が優位なため、人間はネガティビティバイアスになるのだ。一方で、加齢に伴う感情変化についての研究では、ネガティビティバイアスは誰にでも当てはまるわけではないことを示している。快および不快の表情を示す顔面写真を提示し、fMRIにより扁桃体の活動を測定した実験を幅広い世代を対象に行ったところ、20代の実験参加者よりも、70代の参加者の方が、快の表情に対してより高い活動性が見られた。これは高齢者が若年成人と比較して、ネガティブ感情よりもポジティブ感情を喚起するものに対してより多くの注意を払うことが分かる。つまり、感情体験の量が多い高齢者は単純にネガティブな感情には引っ張られないといえる。
参考文献
日本心理学諸学会連合 心理学検定局編,心理学検定基本キーワード改訂版,2022年,実務教育出版,p.145,148
https://academic-accelerator.com/encyclopedia/jp/negativity-bias#google_vignette
問題1への回答
「手続的記憶」
手続的記憶の該当事例として「ピアノの演奏」を挙げる。まず、手続的記憶とは長期記憶に分類され、大脳基底核と小脳が中心的な役割をはたしている。大脳基底核は、大脳半球の基底部にある神経細胞の集合体で随時運動・眼球運動・学習・記憶のような様々な場面で働く。運動に際しては、運動の動機づけや意志といった内部刺激として働くことで運動の計画に作用する。小脳は運動をコントロールし、皮膚や筋肉からの情報を受け取っている。歩く・走る・立つ・座るなどの運動がスムーズに行われるように指令を出している。つまり、手続的記憶とは、文章から理解した知識ではなく、訓練などによって獲得した運動知識のことである。ピアノの演奏がなぜ該当事例として挙げられるか説明する。ピアノの演奏というものは、右手・左手の動きによって鍵盤を弾くことで音を奏でる。ピアノの演奏の仕方を文章として知識を獲得しても、実際に弾くためには指を正確に動かすという運動が必要になる。このようにピアノの演奏は文章としての知識では成り立たず、運動を通して反復経験したことを、記憶として残るという部分から手続的記憶の事例として適切であると考えられる。
出典:エリック・R・カンデル,ラリー・R・スクワイア『記憶のしくみ上』桐野豊・小西史朗監修,講談社,2013.
「葛藤」
葛藤の該当事例として「ケーキは食べたいけど太りたくはない」という状態を挙げる。まず、葛藤とは同程度の強さの2つの欲求が存在するとき、その両方を選択することはできないために悩み続け、どちらを取るか決めかねている状態のことである。ここでいう2つの欲求とは好ましい状態や物に近づきたいという「接近欲求」と、他方の好ましくない状態から逃れたいという「回避欲求」である。K.レヴィンは葛藤を3分類した。
1.接近-接近型葛藤 2.回避-回避型葛藤 3.接近-回避型葛藤
「ケーキは食べたいけど太りたくはない」という事例は3に該当する。ケーキを食べたいという考えは、自分の好ましい状態になりたいという考えである。一方でケーキを食べてしまえば太ってしまうという状態は避けたいと考えている。同程度の強さの2つの欲求が存在し、悩み決めかねているこの状態は葛藤の事例として適切であると考える。
出典:野口寿一『心理療法における葛藤と現代の意識』創元社,2015.
問2
第2章のスキナーを紹介する。すべての人間の行動を二つに分類し、レスポデンとオペラントに分けた。レスポデンとは生物として決まりきった行動パターンで睡眠など生存のための行動でそれ以外をオペラントという。できないことをできるように辞めたいことをやめられるようになる要因としての因子と作用がある。マイナスなことが起きると弱化因子、行動が繰り返される確率を減少させる環境からの反応が起きる。プラスなことがあれば強化因子、行動が繰り返される確率を増加させる環境からの反応。この二つ飴と鞭で使い分けることで行動変容を操れることを発見した。
https://dialog-coach.link/bf-skinner/
第7章のピアジュの紹介。ピアジュは発達段階論の考え方で、成長していく過程で様々な感覚を得ていき右肩上がりに発達していく人間観である。年齢ごとに発育する特徴をあいまいではあるが抑えておりこれを応用することで成長幅を大きく上げることができる。具体的操作期は論理的思考力が発達し、相手の気持ちを考えて発言・行動できるようになります。数的概念が理解できるようになり、重さ・長さ・距離など比較も可能になる。つまりこの時期に数学などが伸びやすく理解できるようになる。
https://chiik.jp/7h8rt/
心理学 問題1
水平伝播の実例。私の家系は農業をしており、農業の知識を世代から世代へと伝達させている。作物の育て方はネットなどを見ればわかるがその土地にあった肥料やその土地の気候など育て方が変わってくる。その知識を町で伝えていっている。水平伝播は遺伝子的な伝達ではなく、脳に保持された知識や文化を共有することである。(世代を跨いでも)作物の作り方を集団で共有しているため水平伝播の実例だといえる。
操作的定義の事例。私は操作的定義の事例に幸福度がどれだけ高いかを測るテストを上げます。幸福度は人それぞれで明確ではないものですが基準を決め数値化することである程度図ることができます。操作定義とは重さや長さ手に触れられないものや実体のないものに基準を作り数値化してみることなので、幸福度のテストは実例であると言える。
●問題2
1.セリグマン(10章)
1998年に、アメリカ心理学会の会長であったセリグマンはポジティブ心理学を提唱した。ポジティブ心理学は、従来の精神的な弱さや障害を中心に研究してきた心理学に対し、これまで見過ごされがちであった人間の精神機能のポジティブな側面にも注目している。このように、ポジティブ心理学とは、人間の精神機能のポジティブな側面とネガティブな側面をバランスよく研究することで、人々の幸福感の強化を目指し、どのような要因がどのように幸福感の向上に関わっているのかを解明するというものである。また、ポジティブ心理学の中核には、楽観主義という概念がある。セリグマンは、楽観的説明スタイルには大きく3つのスタイルがあるとしている。第1に、不幸な出来事に遭遇したときに、それは「一時的」なものであり、永続するものではないと考える説明スタイルである。第2に、不幸な事態は「特定的」な原因によるものであり、普遍的な原因によるものではないとする説明スタイルである。第3に、不幸な出来事は「外向的」な原因も考えられ、必ずしも自分だけに原因があるのではないとする説明スタイルである。この考え方は、「うつ病」や「不安症」などの精神的治療において、効果的であるとされている。しかし、セリグマンは第3の説明スタイルに、自分の責任を他のものに転嫁する危険性も含まれていることを示唆している。また、うつ病や不安症を必ずしも楽観主義によって治せるとは限らない。このように、楽観主義には限界があること、楽観主義は現代人に自己のアイデンティティや目標や希望を与えるべく、発展する必要があることをセリグマンは指摘した。セリグマンは心理学史上、人々の精神疾患を治すためのほか、人生をどうすれば幸せにできるのかについて研究することに貢献した人物である。
出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/55/1/55_178/_pdf/-char/ja
アニーシャ・ニシャート・鈎治雄(2018)「楽観主義と現実的楽観主義」『教育学論集』第70号.2018年3月.201-212.
2.エリクソン(7章)
エリクソンは、発達の各時期に自我の葛藤が存在し、時期ごとに葛藤を乗り越えポジティブな自我の働きが優勢になることで健全な発達が送れると考えた。それが、自我発達理論である。彼は、人の誕生から死ぬまでの生涯発達をライフサイクルと呼び、乳幼児から老年期までの8段階に設定した発達段階モデルを提唱した。このモデルは、漸成的発達という、身体の各器官が各々固有の発生時期に沿って、段階を踏んで徐々に作り上げていくことである発生学の考えを取り入れている。そして、人の心理社会的な発達も適切な条件が整えば、誰もが漸成的な法則に沿って発達していくと仮定し、その発達段階ごとに固有の発達課題を、漸成的図式を用いて示した。漸成的図式では、右上に向かう対角線上の乳幼児期から老年期までの各段階において、成長を支える肯定的な面と、試練を示した否定的な面の両方の危機が強調され、それぞれの段階で危機に直面し、葛藤を解決していくことが成長にとって重要だと考えられている。例えば、青年期において、肯定的な面として「アイデンティティ」、否定的な面として「同一性混乱」が設定されている。一方、解決できずにアイデンティティの危機が何らかの形で存在した場合、その段階が終わってもまたそれぞれの段階に適した形でアイデンティティの危機が存在することを漸成的図式は示している。つまり、段階ごとの課題を乗り越えられないと、安定した人格を保つことが困難になり、他の段階にも影響を及ぼす。したがって、人格の安定には前の発達の段階での課題をこなせたのかが関わってくる。また、エリクソンは「自分が自分であること」「自分が誰であるか」を知っていることを「アイデンティティ」という語を用いて説明した。このアイデンティティとは、自分だけが納得していれば良いわけではなく、他者や社会から是認されているものであり、他者に対する自己の存在の意味として自己と社会との相互性の中に位置づけられたものでなければならない。つまり、自分がほかの誰とも違う独自の存在であるという感覚の斉一性、過去から現在にわたって自分が時間的に連続しているという感覚である連続性があることが重要である。最後に、エリクソンのアイデンティティの概念は彼の、父親を知らないこと、祖国ではないアメリカで生活することによる、「自分とは何か、自分はどこに属しているのか」という問いに長く向き合ったことで形成されたものだ。「エリクソン」という名字は、養父の名字であるホンブンガーから改名し、自分のエリクという名前に「ソン(son=息子)をつけたものである。そして彼は、「自分自身をエリクソンの息子にし、自分が自身の創始者になるほうがいい」と述べたという。エリクソンは心理学史上、人の発達段階を8つに設定し各段階で課題があること、アイデンティティの概念を提唱したことで、発達心理学や精神分析に貢献した人物である。
出典:小山隆之(2022)「心理学検定 基本キーワード 【改訂版】」『実務教育出版』 2022年11月5日.
中道圭人・小川翔大(2021)「教育職・心理職のための発達心理学」『ナカニシヤ出版』2021年3月31日.
問題3
「感情」(8章)と「ストレス」(10章)
感情とストレスは密接に関係している。なぜなら、ストレス反応と呼ばれるものは不安、イラつき、抑うつ感、無気力といった情動的反応が起こるからである。
感情にはエクマンにより基本6感情が存在する。「ストレスの認知的評価モデル」(10章p152)によれば、欲求どうしのぶつかり合い(欲求葛藤)があり、欲求不満によって
ストレッサーとなっている。欲求不満には嫌悪や怒りが該当する。そして、感情の持つ役割として気分一致効果と呼ばれるものがある。(8章p134)ポジティブな気分のときは
ポジティブなものを見つけやすく、反対の場合も同じである。これをストレスに当てはめてみる。例えば、電車で突然車両が止まり、停電が起こったとする。
このとき、この時間が長引くほど、ネガティブなことを連想しやすくなる。このままどうなるのか、などの不安が募る。結果的に、この不安が一時的に大きなストレスを引き起こす
ことになってしまう。このように、ストレスと感情は密接に関係していると述べる。
出典
ゼロからはじめる心理学入門、8章p134、10章p152
問題3への解答
・感情心理学(8章)と発達心理学(11章)
発達心理学と感情心理学は、心理学の異なる領域に属するが、両者は関連しているといえる。例えば、自尊感情は小学校から中学校で低下し、中学校から高校では微増することが分かっており、思春期に自尊感情が低下することは多くの研究で指摘されている。老年期まで含めた自尊感情の調査では、大学生の自尊感情を基準にした場合に中高生は自尊心が低い健康にあり、成人や高齢者は自尊感情が高い傾向にあることも分かった。このように、発達心理学と感情心理学の関連は、人間の発達段階が感情にどのような影響を与えるか、感情の発達が成長にどのように関連しているのかを理解するところにみられる。
参照文献
https://cir.nii.ac.jp/crid/1050574181207914496
問題2
h.セリエはカナダの生理学者であり20世紀に心理学の研究をした人である。彼は、ストレスという言葉を世に広めた立役者である。私達が目にするストレスというのは、対人関係や騒音、外傷などの様々な外的要因のストレッサーにより、共通する症状であるイライラ、不安、身体症状などが引き起こされた状態のことであると説明した人物である。またストレス反応説を提唱し、ストレス反応による全身適応症候群の時期を、警告期、抵抗期、疲憊期の3つの段階に分けた。このときストレス事態が長期に渡って持続すると疲憊期となる。そうすると高血圧や心臓疾患、胃潰瘍などの身体的リスクが増大する。ストレスによって身体的リスクが増大すると提唱したことで精神と身体が密接であることがわかり、心理学に影響を与えた。
出典
心理学用語の学習「33-ストレス(理論)」https://psychologist.x0.com/terms/133.html
L.ウィングは1980年代にアスペルガー症候群という名前を初めて導入した人である。まず、自閉スペクトラム症の歴史について触れる。はじめに、レオ・カナーが1943年に「早期幼児自閉症」を提唱し、そこから自閉症という名前が使われた。その後、1944年にハンス・アスペルガーが「自閉精神病質」を提唱したのが、アスペルガー症候群の最初であるとされる。その後、1981年にウィングがアスペルガー症候群を提唱した。ウィングは自閉症である娘を対象に考察を行い①対人関係②言葉③想像力の③つの問題こそが自閉症の本質であるとした。当時、自閉症の診断は、言葉によるコミュニケーションに限定されており対人に関心が乏しい子どもにのみつけられた。また、言葉によるコミュニケーションが可能であることや一方的でも対人に関心がある場合は自閉症とは考えられていなかったため、この提唱は、上記3つの問題の障害を持っていながら診断されない人を、アスペルガー症候群という診断が適切であるとした。現在では、DSM-5によって自閉症、PDD、PDS-nos、アスペルガーなどのややこしい区分を整理するために、一括して自閉スペクトラム症と呼ぶことになっている。
出典
心理学用語の学習「23-自閉スペクトラム症」https://psychologist.x0.com/terms/323.html
一般社団法人発達障害支援アドバイザー協会「ローナー・ウィングの三つ組」
https://www.ddsienn.jp/20220523/
問題3への解答
「学習」(2章)「ストレス」(10章)
学習はやったことのないことをできるようにする、いままでできなかったことをできるようにするといった学び、実践をすることである。その学習を行うにあたって、今までできたことができなくなる、途中で壁にぶつかって先に進めなくなったりする。そこで感じるのがストレスである。学習している最中に、壁にぶつかるのはよくあることで、他人からのプレッシャーや、自分に対して厳しい人間などは、ストレスを感じてしまう。学習とストレスというのは、学習にストレスが付随してくるという関連性にある。また、学習中に人の前で発表をしたりする場合にも、ストレスを感じる場合がある。嶋田・岡安・坂野によると、「授業中にいきなり指された時」、「たくさんの人の前で発表するとき」、など発表場面でストレスを感じる生徒がいる(嶋田・岡安・坂野、1992)。学習の中にも、様々な状況でストレスを感じる要因が存在している。学習をする際に、ストレスが自分にかからないようにするのは、難しいほどに、学習とストレスは一緒になっているのだと考えた。
参照文献
嶋田洋徳・岡安孝弘・坂野雄二、1992、「児童の心理的ストレスと学習意欲との関連」、『健康心理学研究』、5巻、(1)、pp.7-19、日本健康心理学会、(2024年1月28日閲覧)。
最終レポート
問題1.
1-1 手続的記憶について
実例として、ピアノで練習した曲が、2年後に練習時間を設けることなく弾くことができたということをあげ、手続的記憶について説明する。まず、手続的記憶とは、非宣言的記憶の一種で、行動の方法に関する記憶である。また、手続的記憶で一度記憶したことは忘れにくい。日本学術会議によると、手続的記憶で中心的な役割を果たしているのは大脳基底核と小脳であるという。前者は筋肉を動かしたり止めたりするために働き、後者は筋肉の動きを調整してスムーズに動くために働く。次に、上記の実例が手続的記憶であるということを説明する。この実例の場合は、指でピアノの鍵盤を押したり鍵盤を離したりするときや手を休めたりするときに大脳基底核が働き、押すべき音の鍵盤を押すときや弾くべき速度に合わせて指を動かしているときに小脳が働いていると考えられる。また、2年が経過しても同じ行動をとっていることがわかる。よって、上記の実例は手続的記憶である。
出典:日本学術会議 https://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku3/kioku3_2.html
1-2 ネガティビティ・バイアスについて
事例として、初めて会った上司が、仕事を効率的に行うことはできるが部下に対して高圧的な態度で接する人物だった場合、この上司は性悪な人物であると判断し、交流を避けるようにするということをあげ、ネガティビティ・バイアスについて説明する。まず、ネガティビティ・バイアスとは、印象形成場面において、ネガティブな刺激がポジティブな刺激よりも大きな影響力をもつというものである。また、そのような影響力の違いが出るのは、ネガティブな情報を重視、注目することで、最悪な結果を避けやすくなるからである。そのため、小澤らはネガティビティ・バイアスとは一種の心理安全装置であるとしている。次に、上記の事例がネガティビティ・バイアスであるということを説明する。この事例の場合、仕事を効率的に行うことができるということはポジティブな刺激となり、部下に対して高圧的な態度で接するということはネガティブな刺激となる。事例では後者を重視したために、性悪な人物であるという印象形成がなされたと考えられる。また、後者を重視し、積極的な交流を避けることで、上司からパワハラを受けて精神的負担を抱えるという結果を避けているということが考えられ、心理安全装置として働いたことがわかる。よって、上記の事例はネガティビティ・バイアスである。
出典:小澤拓大・下斗米淳(2012)「結果関連関与が意思決定におけるネガティビティ・バイアスの強度に及ぼす影響:将来自己と心理的安全装置の関連」『専修人間科学論集 心理学篇2』9-19.
問題2への解答
一人目
カーネマンについて
カーネマンは、行動経済学の先駆者として切り開いた、意思決定のパラダイムは、経済学だけではなく、心理学においても、さまざまな革新をもたらした(安藤、2013)。
「しかし意外なことに,意思決定研究の分野においては,感情の果たす役割について顧みられることはほとんどなかった。それどころか,「感情に流されるな」「気分で判断するな」などと日常的に言われるように,感情は合理的な意思決定を妨げる要因として負の側面からとらえられることのほうが多かった」(安藤、2013)。カーネマンが切り開いた、意思決定のパラダイムが、それまで意思決定を妨げる要因が負の側面からとらえられることが多かった時代を変えた。葛藤も負の側面にのみ焦点を当てていたら、接近、接近葛藤などを生まれていなかっただろう。
二人目
ウィングについて
「自閉スペクトラム症は、ローナ・ウィングの「三つ組の障害」と呼ばれる「社交性・コミュニケーション・想像力」の3つの障害から成り立っていると言われます」(心理学用語の学習)。ウィングは現代でもかなりの割合で発生している自閉症を、自閉症かどうかを判断するための定義を作り上げた。
参照文献
安藤明人、2013、「行動経済学と感情」、『感情心理学研究』、20巻、(3)、pp.65-70、日本感情心理学会、(2024年1月28日閲覧)。
心理学用語の学習、「精神病理 用語一覧」、『心理学用語の学習』、(2024年1月28日閲覧)。
https://psychologist.x0.com/terms/323.html。
最終レポート
[問題2への回答]
・クレッチマーについて
クレッチマーとは類型論という体格を肥満型、闘士型、細身型に分けて肥満型には躁うつ病の気質が、闘士型にはてんかんの気質が、細身型には統合失調症や分裂気質が多いという特定の精神疾患と特定の体格との間に相関関係があると主張した理論をあげた。これが大衆には多く受け入れられ、心理学研究を促すことになった。
[出典]https://kotobank.jp/word/クレッチマー-57566
・ウィングについて
ウィングとはWingの3つ組と呼ばれる他者との交流がスムーズに行かない社交性の障害、言語性及び非言語性のコミュニケーションに偏りがあるコミュニケーションの障害、見えないものを思い浮かべることができない想像力の障害こそが自閉症の本質だとしていてこの考えが現在でもDSMの自閉症の定義に用いられています。
[出典]https://psychologist.x0.com/terms/323.html
問題2への解答
・スキナー
→スキナーは強化の随伴には一定の法則性があるとし、100パーセントの強化が反応を長期間持続させるかといえば必ずしもそうではなく、実際には部分強化のほうが消去抵抗が高まることをスキナー箱によるハトの条件付けで実証した。
スキナー箱のハトの条件付けとは空腹のハトをスキナー箱に入れ、スイッチ(反応キー)をつつくと餌出る仕掛けで、ハトは一度それをして学習すると頻繁にスイッチをつつくようになったという実験である。
参照文献
https://hirogaku-u.repo.nii.ac.jp/records/378
・エリクソン
→エリクソンは「遊びは幼児の自我を統合しようとする努力を理解する王道である」として、遊戯療法を論じた。遊び(プレイ)が自然な自己治癒力の潜在能力を持っていると解釈した。エリクソンは子供の遊びが「遊びの中断」から「遊びの満足」、そして「遊びの勝利」に至るサイクルを明らかにし、治療者は遊びの促進者であると説いた。
参照文献
https://cri.nii.ac.jp/crid/1390572174490503424
問題1への解答
一つ目
運動視差について
例として、教科書にこう書かれている。「たとえば、歩きながら横目で近くの木を見てみると、当然ながら歩く方向とは反対の方向に過ぎ去っていくように見える。しかし、遠くの山はほとんど止まっているように見える」(市川・作田、2015)。私は、普段周りにある建物や看板などを見ながら歩いているのだが、近くにある建物や看板はすぐに通り過ぎるのに、遠くにある高層のマンションなどは、近くにある建物と比べると、長い間視界に入っているのだ。この事例は運動視差である。なぜなら、運動視差というのは、空間の中で、自分が移動すると、近ければ近いほど早く動き、遠くなれば遠くなるほど、動いていないかのように見えることを言っているからである。
二つ目
葛藤について
葛藤の種類の内、接近、接近葛藤についての事例を紹介する。ラーメン屋に行った際に、複数の味のラーメンから一つ選ばなければいけないという状況に陥った。どのラーメンも違った良さがあり、どれを食べても満足することができるのだが、複数のラーメンを食べる分の胃袋はあるはずもなく、最終的に味噌ラーメンを選択した。味は非常においしく、満足することはできたのだが、何を食べるか決めた状態で食べたラーメンよりも、満足度は低いと感じた。この事例は葛藤と呼ぶことができる。なぜなら、選択肢の中から、どれか一つだけしか選ぶことができない際に、どれかを選ぶことができない状態のことを葛藤と呼ぶからだ。
参照文献
市川寛子・作田由衣子、2015、「ゼロからはじめる心理学・入門 人の心を知る科学」、株式会社有斐閣、(2024年1月28日閲覧)。
最終レポート
[問題1への回答]
•手続的記憶について
手続的記憶とは長期記憶の一つで自転車や車の運転など繰り返し同じ動作をすることによって長期間脳に保存される記憶で、一度保存されるとなかなか忘れることがなくなる記憶です。
実例を挙げると例えば私は中学生の時テニス部に所属しておりました。そこで3年間テニスを練習し卒業した後はテニスを全くしませんでした。その3年後遊びでテニスをすることになったのですがいざプレイしてみると卒業した後の3年間全く練習してなかったはずが難なくテニスをすることができました。これは3年間同じ練習や動作をし続けたことにより脳に長期保存され3年経ったあとでも忘れていない記憶なので手続的記憶といえます。
[出典]https://bsd.neuroinf.jp/wiki/手続き記憶
・葛藤
葛藤とは近づきたいという接近欲求と逃げたいという回避欲求がぶつかり判断できなくなり行動できなるというものである。
実例を挙げると例えば2日後が締め切りの課題があり、他にも課題があるので先にやってしまわないといけないと思っていだのですが同時にめんどくさくてやりたくないという感情が芽生えてきてどうしようか迷ってるうちにボーッとしてしまい結局そのまま時間が経ってしまったということがありました。これは2つの欲求がぶつかって行動できなくなってしまったので葛藤が起こってると言えます。
●問題1への解答
・ソーシャルサポート
→ソーシャルサポートとは個人が関係(社会的関係)のある他者とのやりとりされる有形・無形の様々な援助(支援)のことである。これまでの研究概観によると、ソーシャルサポートは抑鬱状態を緩和し、がんの進行を遅らせ、幼児虐待を抑制し、また仕事に対する満足感を高めるなどの効果がある。
ソーシャルサポートは健康に良い行動を続けやすくしたり、ストレッサーの影響を和らげる効果があります。例えば、ダイエット(運動)や喫煙などを継続していくうえで、家族、恋人など周りの人から様々なサポートを受けることでダイエット(運動)や喫煙が長続きしやすくなったり、ストレッサーがあっても周りの人からのサポート(話を聞いてくれて共感してくれるなど)を受けることでストレッサーをうまく対処(コーピング)することができるようになる。
また、ソーシャルサポートは4つに分けることができる。
1つ目は情緒的サポートである。情緒的サポートは問題を抱えている人に対し、共感的・受容的に接してサポートすることで、 例えば傾聴したり、慰めたり、相槌を打ったりなど、上司・先輩・同僚や、家族・友人など、多くの人から受けることができる。
2つ目は道具的サポートである。道具的サポートは形ある物やサービスの提供によってサポートすることで、例えば、買い物に付き合ったり、掃除を手伝うなど。
3つ目は情報的サポートである。情報的サポートは問題の解決に必要なアドバイスや情報の提供などをすることである。
4つ目は評価的サポートである。評価的サポートは当事者の行動が、良いか悪いか、社会的に好ましいか好ましくないかなど、適切な評価を与えることである。
このようにソーシャルサポートとは有形・無形のサポートなのである。
参照文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjesp1971/38/2/38_2_193/_pdf/-char/en
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-067.html
・学習障害
→学習障害(限局性学習症・LD)とは読み書きや計算などの算数機能に関する特異的な発達障害である。学習障害には読字の障害を伴うタイプ、書字表出の障害を伴うタイプ、算数の障害を伴うタイプの3つがある。例えば、読字障害は文章を読む際に単語をひと塊として認識できずに一文字一文字読んでしまう、「あ」と「お」などの形態の似た文字を認識できない、「っ」「ゃ」などの小さい文字を認識できない、不自然な飛ばし読みをしてしまう、などの特徴が見られる。これらの特徴により、文章を読むことに非常に時間がかかったり、過度に疲弊してしまったりする。
書字障害は、文章を書く際に誤字脱字が非常に多い、書き順の間違いが多い、文字の大きさがバラバラになったり形が不適切になったりする、などが挙げられる。学校では、黒板の字をノートに書き写すなどの作業に困難が生じる。
算数障害は、基本的な数字や記号の意味を理解しにくい、数の大小の理解が困難、計算の繰り上がりや繰り下げができない、図形やグラフの理解ができない、などが挙げられる。
学習障害には的確な診断・検査が必要で、ひとりひとりの認知の特性に応じた対応法が求められる。ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などが一緒の場合は、それらを考慮した配慮、学習支援も必要となったり、家庭・学校・医療関係者の連携なども欠かせない。
参照文献
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/mext_00808.html
https.//www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-004.html
「最終レポート」
問題1
「操作的定義」
まず、心理学では、人間の感情や感覚には、大きさや重さなどを通常は測ることができない。そのことはI.カントによって指摘されていた。カントは、『自然の形而上学』(1789年)において心理学の対象となる存在が大きさ重さなどのない存在であるがゆえに自然科学の対象とはなりえないと議論した。(序章p5「カントの不可能テーゼ」)しかし、これを打破すべく生まれたのが、操作的定義である。操作的定義では、通常、「長くみえる」などの感覚は数値では図ることができない。しかし、ミュラー・リヤーの錯視で行った実験(序章p6図0.1)のように、無理やり「錯視量」や「心理量」などの名前をつけることで、測ることができなかった感覚や感情などを測るようにすることである。
出典
ゼロからはじめる心理学入門、序章p5,p6
「ステレオタイプ」
私達は、性別、人種、職種、年齢など、さまざまなカテゴリーで区分された集団やその集団のメンバーに対して、抽象化された知識を持っている。これをステレオタイプという。
例えば、アメリカ人と思い浮かべると背が高く鼻が高いと感じる。それをどのアメリカ人でも同じように当てはめてしまう。これがステレオタイプである。なぜ、このようなことが起きるのか、それは、人は似た者同士をまとめてカテゴリーに分類することで、効率よく情報を処理することができるからだ。このとき、分類する基準は主に2つある。1つ目は、職業や性別などのカテゴリーに基づく印象である。2つ目は個々の行動やエピソードから積み上げていく印象である。この2つの基準で行うため、ステレオタイプが起きるのである。
出典 十文字学園女子大学ステレオタイプstereotype
https://www.jumonji-u.ac.jp/sscs/ikeda/cognitive_bias/cate_s/s_22.html
「最終レポート」
●問題1
1.ネガティビティ・バイアス(8章)
人は、良い情報よりも悪い情報に気を取られやすい傾向がある。例えば、インターネットで、あるレストランの口コミを調べたときに、良い評価と悪い評価が書いてあった場合、悪い評価のほうが印象に残ることがある。これがネガティビティ・バイアスの事例である。なぜなら、満足のできないレストランに行くことで不快な思いをしてしまう危険から自分を守るために、ネガティビティ・バイアスが生じるからだ。ネガティビティ・バイアスとは、自分の身を守るために、自分の安全を脅かすような悪い情報に感情が左右されて、注意が向くことである。人は生き残るためにそのように進化していった。一方、良い情報は危険ではないため、悪い情報ほど注意が向かない。
2.ステレオタイプ(9章)
物事を型にはめると、情報による考えることへの負担を減らせる。血液型で人の性格を決めつけることは、ステレオタイプの事例である。たしかに、「〇型の人は、こういう性格だ」と型にはめたほうが、その人の性格について推測しやすくなる。それは、血液型で人の性格を推測することによって、個人の性格について正確に深く知ろうとする努力が必要なくなるからだ。しかし実際、血液型と性格の関係性には科学的根拠がない。ステレオタイプとは、情報過多による認知的な負担を軽減するために、先入観やイメージによって、似ているものを同じものとしてカテゴライズすること、あるいは個人を集団として捉えてしまうことだ。つまり、この事例は血液型というカテゴリーに基づいて、人への印象を形成したものである。
出典:金沢創・市川寛子・作田由衣子(2022)「ゼロからはじめる心理学・入門」『有斐閣』2022年12月20日.
最終レポートに「再投稿」はありません。よくよく推敲して投稿してください。
「最終レポート」はこの掲示板に投稿してください。取り組む上で不明な点があれば、この掲示板で質問してください。問い合わせは、課題の投稿開始までにお願いします。
「最終レポート」の課題をmoodleに提示しました。
最終レポートに進むことができる人は51人でした。そのうち、
100点以上 2人
90点台 4人
70点台 1人
60点台 3人
でした。これらの方は、最終レポートを出さなくても単位は出ます。より高い成績で単位取得したい場合は、最終レポートに取り組んでください。
なお100点を超えているお二人は、これ以上の成績は成績表につかないので、ここで終わりにしたいと思います。間違っても、最終レポートに取り組もうなどと思わないでくださいww
最終レポートについてはmoodleを注意していてください。
>> 1599G22067さんへ
ADHDは大人になってからなるというより、大人になって発見されるということがあるようです。基本、先天的なものだと思います。子供自体はなんらかの環境によって、不可視化していたのでしょう。
基本的にG21097さんの解答と同じです。>> 1606
質問ありがとうございました。
2点差し上げます。