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タニス・リー 通読

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タニス・リー作品の通読ログ総合。

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katka_yg
作成: 2025/02/27 (木) 10:21:54
最終更新: 2026/10/10 (土) 00:30:02
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1
katka_yg 2025/02/27 (木) 10:27:02 修正

これまでの経過
https://posfie.com/@katka_yg/p/W4zFFXx

邦訳は昨年までに一通りし、今は「The Birthgrave」から順に原書をよむ。電子版。
現在は「Hunting the White Witch」(The Birthgrave Trilogy Book 3)

3

用語集はここには作成しない。50行しか書き込めない。長編で忘れるので固有名称は手元に書き控えておくといいが…

4
katka_yg 2025/02/27 (木) 10:51:34 修正

shireen

The Birthgraveの世界の都市住民でない山野の部族民の女性が着ける面布、顔覆い布 shireen は、第一作で頻繁に言及されるものの具体的なイメージはあまりなく、アラビア女性の伝統衣装のような目線・鼻から下を覆うようなものかと思っていた(放浪の間にボロ布みたいになる)。

  • 第ニ作の早々に、(her eyes sparkled) through their shireen holes という表現があり、なんか頭陀袋に目の穴が二つ空いているようなスッポリしたもののよう。これはSeel-Naの衣装(村の女呪師)。
  • Tathraの場合はveilとも言われていて、krarlでの地位や役割によって形はそれぞれか。
5
katka_yg 2025/02/27 (木) 10:55:03 修正

ritual 儀礼は長い時代を経てそのtruthを失い、代わりにおびただしいsignificance 意味づけ、解釈で装われている。このsignificanceは後から付けた虚飾、意味のないものだ。男どもは無数のdeities, demons, totems, spiritsを捏造する。Tuvekはそんな野蛮な虚飾をもとから蔑んでいるし、自分の肉体能力を自覚してからは尚更神々を必要としなかった。

6
katka_yg 2025/02/27 (木) 11:02:38 修正 >> 5

タニス・リー魔術の主要概念としてtruthとかfaithは覚えておく。「意思と意図」という方が実践では前に出てくる。The Birthgraveの主人公はpurposeとindependenceがエネルギー源になっていた。「目的意識と自立への欲求」が原動力の女性像、と書くとフェミニズムの化身のようだが今は魔術で、フェミニズムは追々。

反因習や、反抗心は後にもずっと掲げていく。

7
katka_yg 2025/03/02 (日) 19:05:56 修正

Hunting the White Witch

Book 1 - Part II: The Sorcerer ここまで。2か月くらい、他に寄り道してびっくりするほど進んでいない。ここはまた、英語を読んでいる話なのに英語でコメント書くようにしたほうがいいのか……誰に向いているんだろう。

第3部になってヴァズカーがどんどん面白キャラになっていく。なんだかこのへんのいきさつは、古代ローマ頃の魔術師伝、シモン・マグスや、ルキアノスの「ペレグリーノスの昇天」だったかそんな連想をふとする。イエス・キリストの行跡を過度に誇張したようなダークヒーローみたいだ。それは、あまり気にせずにおくとして、タニス・リー作品でも「剣の戦い」が見せ場になっているのがバースグレイブシリーズは最初にして貴重な。

8
katka_yg 2025/03/08 (土) 20:55:48 修正 >> 7

Book 1 - Part III: The Crimson Palace まで。

ヴァズカーの魔術については、平たい地球シリーズのダタンジャの魔術も較べて参照。ダタンジャのささやかな魔術は、見せかけのちゃちな小道具を使うことで「不思議さを相殺する」というもの。ヴァズカーの奇跡は驚異すぎる。

が、とんでもなくスペクタクルで面白い。ヴァズカーの女性遍歴では、マルミラネットの姿態にほんとうは全然似ていないディミズダーの面影をふと浮かべるヴァズカーは痛ましい。

9
katka_yg 2025/03/12 (水) 20:16:17 修正 >> 8

I remain beside the road, impervious, and with no companion.
という言い方には Companions on the Road (1975, アヴィリスの妖杯) のタイトルを連想させるが。

「あらすじ」のように手短に説明しがたい混沌の展開……無数の凄惨な死、生と死を超克して深い悲しみと孤独、の数行あとには独特の"ヴァズカー節"のブラックユーモアが戻ってきて、不謹慎で冒瀆的も甚だしいが妙に清々しい変な笑いが込み上げてしばらくクスクス笑いが止まらなくなる。この三部作はほんとにすごいが……ほんとに疲れる。今夜中にこの章まで読んでしまおう。

――Part IV: The Cloud / Book 1 終わり。

10

katkaさんの感想・レビュー
katkaさんのタニス・リー『ウルフ・タワーの掟 (ウルフ・タワー 第1話)』についてのレビュー:「ウルフ・タワー」...
Booklog

11
katka_yg 2025/03/18 (火) 23:14:40 修正

Hunting the White Witch (Book 2)

Book 2 - Part I: In The Wilderness 今夜ここまで。

SHADOWFIRE

The shining dark, the reflection of the flame upon the wall: Shadowfire.

WW

It seemed to me then, the brief ignition faded in the stones, a shadow oozed from the fire and rested flickeringly against the slate wall. The fire’s shadow, a sort of shadowfire itself, resembling the dark reflection of a brightness and a strength burned out what was lingering, with a faint dull luster, in me.

これが後の作品では「タマスターラー」と同じ意味だとはまえに書いた。それも邦訳しか読んでいないのでまた読もうかな。そこまで行ったらね。

12
katka_yg 2025/03/21 (金) 00:24:00 修正 >> 11

Part II: White Mountain 今夜ここまで。

話の本筋とはべつに、この章中に世界が丸いことについて書いてある。Birthgraveの世界の形は第一作で既に見ている。リーの作品ではこの三部完結と入れ替わりに「平たい地球」シリーズ第一作が始まるのだが Flat Earth の世界(地球)が平たい理由はそのシリーズ内外、リー作品を通して読んでいると漠然とわかり、それより更に後のパラディスなんかを読むと『ああ、もう平たくないんだなあ』のような感想をもつことがある。Kainium でのここのくだりは今ここでは余談だが、アズュラーンの物語をなぜ書き始めたのか当時の気分がわかる気がする。

それにしても、「主人公の名前(呼び名)が旅の間に次々変わっていく」(一人称=I)という小説の趣向は、このシリーズは効果的で面白いんだけど、読者間で語るにはやりにくいな! これは英語でも日本語でもむずかしい。ヴァズカーはヴァズカーで通ると思うけど。
「ヴァズカー」にしても、最初は「その名で俺を呼んだら殺す」などと言っていた。
21歳にして70歳みたいな気分のような老成したことを言いながら、17歳少年に対して自分は小学生みたいな悪戯を考えて悦に入ってたり、基本的に性格が変わってなくて好き。

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katka_yg 2025/03/21 (金) 15:53:55 修正 >> 12

katkaさんの感想・レビュー
katkaさんのTanithLee『Hunting the White Witch (The Birthgrave Trilogy Book 3) (English Edition) [電子書籍]...
Booklog

終章の2節末は第一作の結末の文章のリズムを必然的に思い出させる。She had never been...あたりから。

これはわたしは「日本語ならどう訳す」という一方の関心があったのでメモ。この三作読んでいてもたびたび感じたのは、リーは神憑り的にアドリブで書き進むような勢いを好んでみえる一方、自分の文章を後から丹念に読み返してずっと前の章の表現の片端を拾ってきたり端役のキャラクターを意外な場面で再度起用するのも大好きみたい。

14

The Winter Playersにいく。これは既読だしバースグレイブほど凄惨混沌でもないので多少早いと思う。電子だと「いつでも読める」気分で後回しにしまくる癖、というのはどうしてもあるようではあった。

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
The Winter Playersを開いているけど何か気が乗らないというか、読み始めたばかりなのにラストシーンがすでに脳裡にちらちらする。これは、もともと邦訳(冬物語)で入っていて、しばらく前に英語で読んでて、こんどkindleで購入したからまたもう一回ログ付けておく周回なんだけど。テキストは正確に憶えていないが、タニス・リー小説のラストにくり返す例のあのリズムが耳に再生する。 なんだろうこれ……と思ったら、気に入りの作品が終わった後のキャラクターの「ロス」っていうやつ、ヴァズカーロスだ。その感覚、わたしは長らくなくて久しぶりだった
Bluesky Social

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katka_yg 2025/03/23 (日) 10:37:11 修正 >> 14

そうか……昨年の経過を読み返すと、わたしはどうも、タニス・リー作品に疲れ果てたらダンセイニを読み返すと回復するという仕組みになっているみたいだった。そこはディネーセンや、アンジェラ・カーターに行くところではない。カーターはまだ積んでるので追々続ける。
富野由悠季とタニス・リーでは話が一見通じなくて、悩んでいたところだ。

katka_yg (@ygasea.bsky.social)
リーとマキリップが同世代の生まれで同年1975くらいの作品と思っていたので、バースグレイブ三部中に「イルスの竪琴」三部作(邦訳)を併読していたが、これは絶対よくないな……というか、前者から後者にしきりにイメージ被害が行っていて、「イージーモード」とか「優しい世界、みんな優しい、ヌルゲー、甘やかされの主人公補正」「サイベルよりミスランの方がよほど興味ある」などずっと思っていた。ヴァズカー目線でモルゴンを見ては不公平だ、本人のせいじゃない…と苦笑気分で思いつつ
Bluesky Social

ヴァズカー目線というのはこういうのを引いておこう。

They were only children, spiteful because the scourge had never harmed them, because they know the world was round and they the lord of it.

Book 2の時点でヴァズカーは21歳と言っている。それで17歳の相手を眺めて、またThat should have been me. と思う。

16
katka_yg 2025/03/23 (日) 11:16:03 修正 >> 15

目的意識と地獄

ファンタジー主人公がみな地獄の淵を歩かなくてもいい。目的意識がゆるくて意思が脆弱にはみえる。それはまた、このまえのワーグナーとドビュッシー(「ペレアスとメリザンド」)のときのような話を思い出す。ここらは、古典的な話題なんだ。